「なんだか頭が冴えて眠れない…!」なんて経験はありませんか?
そんな夜もたまにはあるものですが、
これが頻繁に起こって日中に支障を来たすようになったら…。
かといって「不眠のお薬って依存性がありそう…」
と抵抗を感じている方も多いと思います。
そこで今回は、不眠症の改善に鍼灸院がお役に立てる理由について
お話ししていきます。
【目次】
1.不眠症とは?
2.不眠症に鍼灸は効果的なの?
3.安眠道鍼療院での症例
4.さいごに
1. 不眠症とは?
およそ5人に1人が悩んでいるといわれる不眠。
では、俗にいう「不眠・不眠症」とは具体的にどのような状態をいうのでしょうか。
まず、「不眠」には次の4つのタイプがあります。
1. 入眠障害:夜間なかなか入眠できず、寝つくのに普段より2時間以上かかる
2. 中間覚醒:一旦寝ついても夜中に目が覚めやすく、2回以上目が覚める
3. 熟眠障害:朝起きたときにぐっすり眠った感じが得られない
4. 早朝覚醒:朝普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまう
そして、これらいずれかの不眠が週2回以上あり、かつ少なくとも1ヶ月は持続している状態を「不眠症」といいます。
不眠症の原因には、照明や気温などの環境的要因、身体の痛みなどの肉体的要因、ストレスなどの精神的要因のほか、カフェイン・アルコール・年齢による影響など、様々なものがあります。
なかでもストレスの存在は大きく、仕事や家庭での精神的ストレスで不眠症に陥っているという方も多いのではないかと思います。
また、不眠を訴える方は胃の不調や身体の怠さといった、いわゆる不定愁訴を同時に抱えているケースが多く見られます。
前述のとおり、不眠の原因は様々で個人ごとに異なりますが、なかでも精神的なストレスは自律神経の乱れにつながることから、消化器系の不調・筋肉のコリ・ホルモンバランスの異常といった全身症状にも影響を与えることが考えられます。
では、これらの不快な症状に対して、どのような対応が考えられるのでしょうか。
不眠を含む不定愁訴の改善に向けた1つの選択肢として、鍼灸が有効であることについて詳しくご紹介します。
2.不眠症に鍼灸は効果的なの?
ここで、鍼治療に関する研究報告をご紹介します。
東洋医学研究所®が報告した「睡眠障害に伴う不定愁訴に対する鍼治療の検討」と題した研究です。
この研究は、睡眠障害を抱えた患者6名に対して鍼治療を行い、不定愁訴指数カルテという症状を数値化するツールを使って、睡眠障害に伴う不定愁訴に対してどれだけ鍼治療が有効なのかを検証したものです。
対象となった患者さんたちは、不眠のみならず、「体がだるい」「胃の具合が悪い」「動悸がする」といった症状も訴えていて、催眠鎮静薬や精神安定薬などを服用している方ばかりです。
そこで患者6名に対して、全身あるいは局所的な鍼治療を実施。
治療の頻度は、毎日・隔日・週2回以上のいずれかで、25~52日間に14~21回行われたとされています。
この結果、不定愁訴指数の平均は、当初34.2点であったものが、26.5点、21.5点と徐々に減っていき、最終的には13.3点まで減少。これは、患者さんたちの自覚している身体の不調が軽くなっていったことを示しています。
さらには、患者全員が睡眠薬を服用していたものの、鍼治療後は薬を服用せずに済むようになったり、薬の数を減らしたりすることに成功しています。
このような結果を受けて報告書では、「鍼治療により、ストレスによって失調状態にあった自律神経機能が回復し、その結果、脳機能も徐々に回復して、体内時計のリズムの乱れが是正されたものと推測される」としています。
つまり、鍼治療によって自律神経のバランスが整い、ひいては全身の調子が上向いていったということです。
自律神経は、ホルモン分泌や内臓の活動といった全身の活動に影響を与える大切な存在。
自律神経の乱れを改善させることが、不眠をはじめとした様々な体調不調を改善するためにとても重要であることがよくわかる研究結果です。
3.安眠道鍼療院での症例
では実際に、当院での実際の症例を少しご紹介してみたいと思います。
まず一つ目は、人間関係からくる精神的苦痛が原因で夜中に動悸が起こって眠れないということで来院された方の症例です。この方も不眠だけでなく、情緒不安定や生理不順、めまいといった症状を訴えておられました。
① 情緒不安定から自律神経の調整により克服した症例報告
こちらの方に対しては、強く出ていたハリを和らげて血流を改善させ、自律神経を調整する治療を施しました。初診当初は大変辛そうなご様子だったものの、鍼灸治療を重ねることでしっかり7時間眠れるようになり、全身の調子も改善したという喜ばしい事例でした。
そして二つ目は、ゆっくり眠ることができない日々があまりに長く続いたために、すっかり不眠に慣れてしまった方の症例です。長年の不眠に加え、眼精疲労やPMSを抱えておられた方でした。
②不眠の克服|症例報告
こちらの方に対しても、首に強く出ていたハリを改善させ、自律神経を調整する治療を実施。朝方まで眠れなかったのがウソのように、夜になると自然と眠くなるようになってしっかりと睡眠をとることができるようになりました。年齢が比較的お若いということもあり、特に不眠に対しては早いうちに効果が実感できた症例です。
同じような境遇の方もいらっしゃるかもしれませんので、お時間があればリンク先のコラムもぜひ参考にしてみてくださいね。
4.さいごに
眠れない日が続くと、「今夜も寝られないかも…」と心配になるかもしれません。こういった不安感も不眠の特徴だったりします。
でも、そんな時こそ"あまり気にしない"のが大切です。
「どうせいつか眠くなるだろう」くらいに気楽に構えて、もし眠くなければ思い切ってベッドから出てしまいましょう。
そして、朝起きたら日光を浴びることもとても大切。人間の身体は、朝日を浴びてから14時間ほどで眠くなるように出来ています。
たっぷり朝日を浴びることで不眠の改善に一歩近づけるかもしれません。
どうしても憂鬱になってしまいがちな不眠ですが、「最近眠れないなぁ」と思ったら、ひとりでガマンせずに安眠道鍼療院まで一度ご相談にいらしてくださいね。
【参考】
睡眠障害に伴う不定愁訴に対する鍼治療の検討(全日本鍼灸学会雑誌2006年第56号5号)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/56/5/56_5_793/_pdf/-char/ja
公益社団法人日本鍼灸師会
https://www.harikyu.or.jp/general/effect.html
e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html