風邪をひいたマスク姿の人が増えてくるこの季節。
冬は体調を崩しやすいものですが、
敵は必ずしもウイルス等だけではありません。
「風邪ではないはずなのに、なんだかだるい…」というときは、
自律神経が乱れているのかもしれません!
そこで今回は、自律神経の調整を得意とする鍼灸のプロが、
季節の変わり目によくある不調について解説していきます。
【目次】
1.冬の体調不良は自律神経が原因?
2.冬に自律神経が乱れやすいのはなぜ?
3.冬の不調を吹き飛ばそう!
4.さいごに
1.冬の体調不良は自律神経が原因?
冬は気温が下がり、様々な体調不良が起きやすくなる季節。
そして、寒さによって自律神経のバランスが乱れやすくなる季節でもあります。
そもそも自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、両者がバランスをとることで内臓の働きや、体温調節・血流・ホルモン分泌など、全身の機能が正常に働くようになっています。
このうち「交感神経」は、緊張状態にあるときや日中働いているときに活発になる神経。
一方の「副交感神経」は、リラックスしたときに活発になる自律神経です。
「日中はしっかり働き、仕事が終わったらしっかり休む」。
こういった当たり前とも思える生活リズムの中で自律神経は絶妙なバランスを保っているのですが、季節の変わり目で急激な環境変化にさらされると、自律神経も混乱してしまいます。
こうして自律神経のバランスが崩れると、全身に様々な不調が現れてくるのです。
2.冬に自律神経が乱れやすいのはなぜ?
人間の身体は、暑いと汗をかいて熱を放出させたり、寒いと体を震わせて熱を作り出したり、といったように体温調節を行っています。
この体温調節は、ほかでもない「自律神経」の働きによるもの。
冬といえば厳しい寒さばかり意識しがちですが、オフィスなどの室内ではホカホカに暖房が効いていて室内外の温度差が激しいことも多いですよね。
また、冬の始まりである季節の変わり目は、朝晩の気温差が激しいのも特徴です。
このように、「寒い」「暑い」を繰り返していると、自律神経が混乱して正常に体温調節ができなくなってしまうのです。
そうすると、全身が冷えて免疫が落ちることで風邪をひきやすくなるだけでなく、自律神経の乱れから、だるさ・頭痛・食欲不振といった全身の不調につながりやすくなります。
寒さがこたえる季節でも、意外と汗ばんでしまう場面は多いもの。できるだけ脱ぎ着して温度調整がしやすい服装を心がけるようにしましょう。
さらに、厳しい寒さの中では身体がこわばってしまうもの。
ガチガチに力んでいると、身体が緊張状態になって血流が悪くなってしまいます。
血流の悪化は、交感神経を刺激して自律神経のバランスを崩し、結果的に肩や腰のコリや冷えにつながります。
寒いときはカイロや腹巻き、レッグウォーマーなどで温かくすることも意識しましょう。
3.冬の不調を吹き飛ばそう!
冬の寒さで身体が冷えてしまったときは、やはり何といってもお風呂で温まるのが一番!
40℃くらいの湯船にしっかり浸かって身体の芯から温めましょう。
ただ、毎日お風呂に浸かっている時間がないという方も多いはず。
そこでここからは、そんな忙しい日にも使える「シャワーだけで効率良く全身を温める方法」をご紹介します。
① 足湯をする
洗面器に42℃くらいの少し熱めのお湯を、くるぶしが隠れるくらいまで貯めてください。
そして、バスチェアに腰かけた状態で足を浸けましょう。冷めてきたらまた熱いお湯を足してくださいね。
髪や身体を洗っている間も足をお湯に浸したままにすれば、効率的に身体を温めることができます。
また、お湯にお塩をひとつまみ入れておけば、温熱効果がよりアップしておすすめですよ。
② 首の後ろにシャワーを当てる
そして、首の後ろに集中的にシャワーを当てるのもおすすめ。
首の後ろから背中にかけて温かいお湯をかけ続ければ、しばらくするとポカポカと全身が温まってくるのが分かります。
特に肩甲骨の間に「風門(ふうもん)」というツボがあり、ここから冷気が入ると風邪をひきやすくなるとされています。
この部分をしっかり温めてあげることで、自律神経の乱れだけでなく、風邪の予防も期待できますよ。
4.さいごに
なにかと体調を崩しやすい冬。
身体のメンテナンスのためにも、自律神経の調整をしてみてはいかがでしょうか。
当院は、鍼灸によって自律神経の乱れを改善していく治療院です。
身体を温めるなどのセルフケアだけでは難しいと感じたら、ぜひ当院でのメンテナンスもご検討ください。
これから一段と寒さが厳しくなっていく季節、一緒に乗り切って行きましょう!
【参考】
「なるほど!なぜ人は「寒い」と感じるのか」札幌医科大学教授 當瀬規嗣
https://www.yakult.co.jp/healthist/211/img/pdf/p20_23.pdf