いよいよ新年度を迎えました。
昨年に続きリモートワークやweb授業などの方々も多々いらっしゃると思いますが、
今月から環境も変わった方たちも少なくはないでしょう!?
環境が変わると多かれ少なかれ“ストレス”を感じるもの。
自覚が無くても、実は知らず知らずも感じているものなのです。
その“自覚”が出来るまでのストレスを感じていると「なんか体調がすぐれないかも…」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
実は、ストレスと自律神経は『密接な関係』にあるのです。
そこで今回のコラムは、ストレスが自律神経に与える影響や、
ストレスへの対処法についてお話していきます。
【目次】
1.自律神経に対するストレスの影響
2.ストレスに早く気づく方法
3.ストレスへの対処法
4.さいごに
1. 自律神経に対するストレスの影響
まず、なぜストレスを感じると体調が悪くなるのかご説明しますね。
先にお話したとおり、ストレスと自律神経はとても深いつながりがあります。
そもそも自律神経は、次の2つの神経から成り立っています。
・日中のアクティブな時間帯に優位になる「交感神経」
・夕方以降リラックスする時間帯に優位になる「副交感神経」
このうち、アクティブ時間を担う「交感神経」は、ストレスを受けると脳への刺激を経由して活性化します。
多少のストレスなら問題ありませんが、長い間ストレスを受け続ける、あるいは非常に強いストレスを感じてしまうと、交感神経が活発になりすぎてしまうのです。
これを「交感神経の“過緊張”状態」と言います。
するとリラックスタイムに上がってくるはずの副交感神経を抑制するような感じになり、夜眠れなくなったり、食欲不振になったりと、様々な不調が現れるようになるのです。
また、自律神経の乱れがひどくなると、自律神経失調症をはじめ、うつ病、脳卒中、心臓病といった重大な疾患や、過敏性腸症候群や胃潰瘍など、日常生活に支障をきたす様々な疾患につながりかねないと云われています。
“たかがストレス”と片づけず、日頃から注意深く「ストレスためすぎてないかな?」と、ご自身の体調をチェックするようにしましょう。
2. ストレスに早く気づく方法
なにかとストレスを抱えることが多い毎日。
ストレスと上手につき合って行くには、なるべく早く自分のストレスに気がつくことが大切です。
以下は、ストレスによる体への影響の具体例です。
ご自身に当てはまらないかチェックしてみてください。
[心理的な変化]
悲しい・憂うつになる
不安感・イライラする
無気力・やる気が出ない
[体の変化]
食欲がない・痩せてきた
寝つきが悪い・早朝に目が覚める
動悸・血圧が上がる
[行動の変化]
物事に対して消極的になる
お酒やたばこの量が増える
落ちつきがない
いくつか当てはまりませんでしたか?
上記のような変化が最近気になるという方は、「知らないうちに強いストレスを受けていないか」思い返してみてください。
無意識に抱えるストレスほど厄介なものはありません。
ストレスに対処するには、まず自分のストレスをしっかり見つめることが先決です。
3. ストレスへの対処法
お買い物におしゃべり、カラオケなど…。
ストレス発散の方法は人それぞれですが、どれもコロナ禍ではなかなかやりにくいもの。
そこで今回は、「ストレスコーピング」と呼ばれる、ストレスのもとに対してうまく対処する方法をご紹介しましょう。
ストレスコーピングは、大きく2つの方法に分かれます。
① 問題焦点コーピング:ストレスのもとに直接働きかける方法
人間関係がストレスの場合、相手と話し合うなどして問題を解決しようとする
② 情動焦点コーピング:ストレスに対する感じ方を変える方法
相手の言動に対する自分の感じ方や考え方を変えてみる
解決できそうな問題なら「①問題焦点コーピング」が適しています。
ただ解決できなさそうな場合は、自身の認識を変えてみる「②情動焦点コーピング」がやりやすいでしょう。
ここでいう②情動焦点コーピングの「自分の感じ方を変える」ですが、少しわかりにくいので、いくつか具体例を挙げておきます。
・ひとつ良くないことが起こっただけで全て良くないと考える(一般化のしすぎ)
・ちょっとしたことにこだわって全体を悪く見てしまう(心のフィルター)
・たしかな理由もないのに物事を悪くとらえて結論を出す(結論の飛躍)
・どんなことも「〇〇すべき」「〇〇すべきでない」と考える(すべき思考)
このように、自分のフィルターを通すことで物事に対する考えが偏ってしまったり、認知がゆがんでしまったりすることもあります。
ときには誰かに相談して、客観的に物事を見る機会をもつのも良いでしょう。
深く悩んでいたことも、意外と大したことない問題だったりするものです。
4. さいごに
「ストレスは人生のスパイス」という言葉もあります。
たしかにストレスがないと人間は良くも悪くも生きていけませんし、成長することもできなくなるでしょう。
(逆にストレスフリーは無気力状態になり良くないのです)
ただ、過度にストレスを受けて体調を崩してしまっては元も子もありません。
先述の「交感神経の過緊張」状態で身体を休める事は
“車がアイドリング状態で停車”しているようなもの。
車自体は停まっていますが、燃料はどんどん消費されている状況。
ですからこんな状態で休んでも「疲れが抜けにくい」のですね。
そう、自律神経を整えることは、健康を維持するにはとても重要。
自律神経は“内臓”と“血管”、“涙腺汗腺”などを支配する生きていくには不可欠な神経。
そしてこの現代のコロナ禍でよく聞く免疫システムにも大きく関わっているとても重要な神経。
当院安眠道では鍼と灸を用い、自律神経のバランスを整えるお手伝いを長年させて頂いております。
決してひとりで抱え込まずに、鍼灸なども活用しながら、コロナ禍を一緒に乗り越えて行きませんか!
【参考】
公益財団法人大阪府保険医療財団 大阪がん循環器病予防センター「ストレスについて」
http://www.osaka-ganjun.jp/health/lifestyle/stress/more.html
厚生労働省 こころの耳「ストレス軽減ノウハウ」
https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/
全国健康保険協会「ストレスを人生のスパイスに」
https://kenkousupport.kyoukaikenpo.or.jp/support/02/20130412.html