「忙しいのに調子悪くて困っちゃう…」と
つらい思いをされている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、更年期に不快な症状が起こる要因と併せて、
更年期を乗り切る方法についてもご紹介していきます。
【目次】
1.更年期とは何か
2.更年期障害のメカニズム
3.自律神経からみた更年期
4.更年期を明るく乗り切りましょう!
5.さいごに
1.更年期とは何か
更年期とは、閉経の前後10年間のことをいいます。
日本人の平均的な閉経年齢は約50歳とされているので、
多くの方は40代半ばから50代半ば頃にかけて更年期を迎えていることになります。
この時期に多く現れるのが、急に顔が熱くなったり滝のような汗をかいたりする、いわゆる「ホットフラッシュ」という症状です。
さらに、イライラや不安感、肩こり、腰痛、頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感といった様々な症状が現れ、その種類は実に200種類以上ともいわれています。
そして、これらの症状が日常生活に支障を来たすほど重くなった状態を、「更年期障害」というのです。
2.更年期障害のメカニズム
ではなぜ、更年期には様々な症状が現れやすくなるのでしょうか。
更年期障害を引き起こすのは、以下の3つの要因が複合的に関連しているといわれています。
① 仕事や家庭内でのストレスからくる「社会的要因」
② ご自身の性格などに由来する「心理的要因」
③ 女性ホルモンの減少といった「身体的要因」
40~50代となると、ちょうどお子さんの独立やご両親の体調変化など、様々な環境変化が重なる年代ではないかと思われます。
これらの環境変化も大きなストレスとなって、更年期障害の引き金になることもあるようです。
特に、上記の「③身体的要因」としてご紹介した女性ホルモン(エストロゲン)の減少については、更年期障害を引き起こす大きな要因といわれます。
女性は脳の視床下部から卵巣に対して「女性ホルモンを出せ!」という指令(ホルモン)を出しており、
この指令に卵巣が応えることで月経が正常に起こるようになっています。
しかし、加齢によって卵巣の働きが衰えてくると、いくら指令を出しても卵巣が応えてくれないために視床下部が「なぜだ!?」と混乱し、指令(ホルモン)を過剰に出すようになってしまいます。
こうしてホルモンバランスが大きく崩れることで、様々な不快な症状が現れるようになってしまうのです。
3.自律神経からみた更年期
自律神経と更年期とはどのような関係があるのでしょうか。
更年期はホルモンバランスが影響すると話しましたが、実は自律神経の乱れによる症状も多く現れます。
先にご紹介したイライラ、めまいなどの症状も自律神経のバランスが崩れることで現れる症状の一部です。
自律神経は脳の視床下部がコントロールしているのですが、視床下部はホルモンの分泌を調整する機能も持っているため、ホルモンバランスが崩れると自律神経にも影響すると考えられています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、これらのいずれかが過剰に働いてしまうと様々な不快な症状が現れるようになります。
例えば、交感神経が過剰に働くと、イライラ・不眠・めまい・冷え性といった症状が現れやすくなり、一方で副交感神経が過剰に働くと、食欲不振・胃もたれ・無気力・集中力の低下といった症状が現れやすくなります。
このように、更年期障害はホルモンのバランスだけでなく自律神経の乱れによっても起こるため、多種多様な症状が出やすくなってしまうのですね。
4.更年期を明るく乗り切りましょう!
更年期はつらい時期ではありますが、「しばらくすればきっと改善していくはず!」と信じて明るく乗り切っていきましょう!
まず、毎日の食事には大豆食品を積極的に取り入れましょう。
大豆に含まれる大豆イソフラボンは、更年期に減少する女性ホルモンと似た働きをしてくれる心強い味方です。
納豆やお豆腐、油揚げ、きなこ、お味噌などが大豆イソフラボンを多く含む食材なので、和食中心にすると自然とたくさん摂れるようになるかもしれませんね。
また、適度な運動も効果的です。
ウォーキングやプールでの水中歩行といった有酸素運動だけでなく、ヨガも効果を上げているようです。
いずれにしても、無理をせずに楽しく続けていけるのが一番ですね。
これらの運動は、更年期だけでなく脂肪代謝を促進したり体力を増進したりする効果もありますので、全身の健康のためにも役に立ちますよ!
5.さいごに
更年期には、「やることがたくさんあるのに身体が思うように動かない…」というような時もあるかもしれませんが、いつか終わりは来ます!
それまでの間は、気持ちよく晴れた日にウォーキングをするなどして楽しく過ごしましょう。
ただ、どうしてもつらいときは婦人科への受診や鍼灸治療も検討してみてください。
安眠道鍼療院ではしっかりカウンセリングも行いますので、鍼灸治療だけでなく、日頃のつらい症状を吐き出すことでスッキリしてお帰りいただけるかもしれません。
【参考】
公益社団法人日本産科婦人科学会「更年期障害」
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=14
厚生労働省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html