夏の全国高校野球の熱い決勝戦、秋田の金足農業VS絶対王者大阪桐蔭に触発されたように、
また猛暑が戻った今日この頃ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか!?
今回の鍼職人Kの身体のお話は、
最近何だかストレスが多くてやる気が低下気味…と感じている方へ
原因や対処方法などをお話していきたいと思います。
ストレスと自律神経失調症
【目次】
・そもそもストレスって何??
・現代人のストレスは!?
・ストレスが及ぼす自律神経への影響!!
・セロトニンを増やそう!!
・腸と脳は密接な関係が!?
・セルフケアについて
・最後に・・
そもそもストレスって何??
ところで最近ではストレス、ストレスとよく言いますが、ストレスって何かすぐ答えられます?
三省堂国語辞書によりますと、
"精神的・肉体的刺激によって生じる心身のひずみ、または、そういう刺激"とあります。
しかしこのストレスは、実は最初物理学の用語で、例えば膨らんだ風船を指で押すと、内側から押し戻そうとする力も同時に働きますがこの「内側から」の力が所謂"ストレス"と言われるもので、外から押す指はストレッサーと言われています。
この現象を生体に当てはめたのが、カナダのハンス・セリエ博士(1936年)でした。
また、セリエ博士はストレスにより生体は、
・副腎の肥大(種々ホルモンに影響)
・リンパ組織の委縮(免疫に影響)
・胃・十二指腸潰瘍等の引き金
(ストレスの3大徴候)
になりうるとし、
過度の長期的ストレスは身体に対して、多大な影響を与えると言われる様になりました。
現代人のストレスは!?
今を生きる方々は、皆さん精一杯頑張って仕事をして同時に抱えているものも少なくは無いと思います。
思う様に結果が出ないとか…人間関係が云々とか…
はたまた家庭内での問題など生きていれば様々なストレスがあります。
H28年「労働安全衛生調査」では仕事にストレスを感じる割合は、
2013年では約52%であったのに対し、2016年では約60%まで増加しているといわれています。
年々ストレスを感じている人は増えていると予測できますね。
ストレスが及ぼす自律神経への影響!!
いつものお話ですが、私たちには自律神経機能があります。
アクティブモードの交感神経とリラックスモードの副交感神経があり、
両者が高い位置でバランスをとっているのが理想でした。
ところが、長期間の過度のストレスにより交感神経が過緊張になると、
副交感抑制をかけてしまい上手く副交感神経が上がってきてくれず、
何かいつも落ち着かない感覚や、イライラしやすくなっていたり、
お腹の働きも鈍く調子を崩しやすくなります。
また、副交感神経が「やや優位」になってくれないとしっかりとした睡眠もとれず、
眠りが浅く疲れが取れずいつもダルさがどことなくあり、
やる気も何だか湧かないなどと言う事もあるのではないでしょうか!?
そんな状態では、仕事もプライベートもどちらも充実される事は難しいでしょう。
では…どうしましょうか?
セロトニンを増やそう!!
最近これもよく聞く「セロトニン」。
多くは幸せホルモンなどと言われますが、これは増やすことが出来るのです。
まずは、日光を良く浴びる事!
そして、適度に運動する事のふたつのバランスです。
ここで対照的な例を見て頂きましょう。
当院のあるクライアントさんは、極度の不眠で悩まれておりました。
薬を飲んでも毎日2時間ほどしかウトウト出来ず相当疲弊され、当院を訪れました。
仕事をする上でPCは無くてはならない物なのは分かっておりましたので、
少しでも日光を浴びる時間と運動する時間を作って頂く事をセルフケアとして約束して貰い、治療を開始しました。
するとその方は月二回の、自律神経調整とご自分では一駅前から降りて歩く事、お昼休みは早くお弁当を食べて会社の周りを、気持ち早歩きで散歩をする様になってくれ、5回目の治療の時にはもう薬なしで約6時間睡眠出来るようになり、現在では抗うつ薬を含む全ての薬を終了!
今も月一回の自律神経調整を行い、先日のお盆休みには大好きな旅行を復活し、沖縄へ行かれました。
その時の楽しそうな顔はこちらも嬉しくなる程の表情でした。
また、逆のパターンは…
不眠やうつ・メンタル系で薬物治療中の方でした。
その方は、調子が悪いと言っては度々治療を休み、最初は10分でも良いので日光を浴びて散歩して貰うというこちらの宿題もやって頂けず、お昼に頃起床しては、テレビを見て夕方から少し外出する様な生活でした。
きちんとセルフケアもしなければ回復も出来ない旨をお話していく内にだんだんと来なくなってしましました。
両者の違いは一目瞭然。
前者は積極的にセロトニンを産生し、脳を活性化した結果ですね。
後者は真逆で、セロトニンを産生出来る時間帯にTVやPCをして、ブルーライトを浴びて、
誰とも会話もないので、セロトニン産生にこれまた重要な「表情筋」も動かさず、ほぼ引きこもった状況。これでは脳に良い訳がありません。
因みに、鬱の人や引きこもりと言われる人が無表情なのが多いのはこの「セロトニン」が極端に少ないからと言われています。
無表情が故、表情筋も動かさないので更にセロトニンが出ないという負のスパイラルになっているのです。
何たってこの「セロトニン」は日が暮れると「メラトニン」という睡眠に大きく関わる物質になるので、
セロトニンが上手く産生できないと、安眠が出来ないのは言わずもがな…なのです。
腸と脳は密接な関係が!?
そもそもセロトニンを増やしたくても、その「原料」が無ければ話になりません。
セロトニンの素になる「トリプトファン」という必須アミノ酸が必要なのです。
それにはきちんとした食事。
トリプトファンは、豆腐・味噌・醤油・納豆などの大豆食品、乳製品や卵、バナナ、ナッツ類などに多く含まれるので、
バランスよく摂ってください。
また腸内環境も非常に重要で、腸内環境が乱れていては、
このトリプトファンは腸内環境を整える方に優先され、セロトニン合成は二の次になると言われますので、
腸内環境も日常的に気をつける様にしましょう。
これを「腸脳相関」と言います。
セロトニンとブルーライトの関係は前作を参照して見てください。
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セルフケアについて
当たり前のようで中々できない事が多い昨今、日の光を浴びる、きちんとしっかり歩く。
この簡単な事から、始めてみては如何でしょうか?
先述のセルフケアがいかに大切かもご理解頂けたのでは無いかと思います。
セルフケア無くしての「完治・根治」はありないと思っています。
最後に・・
あなたの身体を治すのは、医師でも薬でも我々でもなく、あなた自身の身体なのです。
勿論…壊すのもあなた自身ですのでくれぐれも無理のし過ぎは禁物ですが…!?
参考資料:自律神経をリセットする太陽の浴び方
山と渓谷社
厚生労働省ウェブサイト