連日の猛暑でバテている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
命に関わる程の猛暑ですから、水分補給はもちろん室温にも気をつけて、
しっかりと身体を“温めて”くださいね。
こんなに暑いのに「温める!?」と思われた方、
間違いでは無いのです。矛盾でもないのです。
今回の鍼職人Kの身体のお話はこの「夏の冷え」についてです。
【目次】
・夏に増える冷えとは
・夏の身体の保温
・まとめ
しかし、なぜ毎年夏の時期にも、冷えを訴える人が居なくならないのでしょうか?
こんな連日の猛暑にも関わらず、なぜ「冷え」を自覚している方が多いのでしょうか!?
このコラムを読まれている、あなたは「冷え」ていませんか?
夏に増える冷えとは
この連日の猛暑にも関わらず冷える。
体温の調節は以前お話したように「産熱と放熱のバランス」ですから、これが上手くいっていないのでしょうか!?
特にこの季節は、公共機関では冷房がガンガンにかかっています。もちろん35℃を超えるような猛暑ですから、室温に気をつけるのは当然なのですが、電車などを考えると少し冷え過ぎのような気もします。
私はジムで筋トレすることが趣味で、ジムに行けない日には治療室でもフラットベンチとダンベルセットで筋トレするほどなのですが、
こんな私が午前中の電車に乗ると「寒っ!」と感じる位ですから、女性の方々はもっとそう感じているのではないでしょうか?
ラッシュの時間帯ならまだしも、空いている時間帯位はもう少し温度上げても良いのでは無いかと強く思います。
電車の話が出たので、ここで電車の冷房から冷えを守るポイントを少しお伝えします。
電車の冷房で厄介なのは、真上から直に冷気が降りかかるところ。
実はこれが後頭部から首にかけて降りかかると身体全体が冷えやすくなるのです!
と言うのも、東洋医学・伝統医療からの視点でみると、
首を下に傾けると、肩のライン上にポコっと出ている骨があるかと思います。大抵の人はここが7個ある首の骨(頚椎)の7番目の骨で、ここから更に下に(胸椎)2つ目のポコっと出た所の、すぐ下…の!指2本分外側に「風門(ふうもん)」というツボがあります。
この「風門」から冷えが侵入すると所謂「風邪」をひいたり体調を崩しやすくなるとされています。
昔から首回りを冷やさず温めろと言われるのはこんな理由もひとつにあったのですね。
そして、東洋医学・伝統医療では「風邪」を"かぜ"とは読まずに「風邪」="ふうじゃ"と呼びます。
なので「風門 ふうもん」から「風邪 ふうじゃ」が侵入すると体調を崩すという。
因みになぜ「風邪を"ひく"」と表現するのか知っていますか?"かかる"ではなくて…
これは一説によると風邪を「引き寄せる」との昔の考えの名残だそうです。
「風邪 ふうじゃ」という"邪気"を「引き寄せて」体調を崩す・・・
何だかとてもイメージしやすいですよね?
電車に乗った際は、是非真上からの"ふうじゃ"からご自身の"風門"を守る様にしてみてください!
夏の身体の保温
夏に体調を崩す人が多いのは、やはり外気温と室温の温度差も大きな原因のひとつです。
特に今年は春先の寒暖差が大きく、体調を壊す人が多く見受けられました。
つまり、自律神経のバランスを大きく乱した結果だとも言えます。
そして夏の場合には、冷えた室内と暑い外に出るとそれだけで自律神経が乱れやすくなってしまいます。
特に温度差が7~8℃違うと乱れ方も大きくなると言われていますので、室内の冷やし過ぎは前述の電車ではないですが気をつけましょう。
そんな夏場の寒い環境から身体を守るには・・・?
やはり、先ほど話したように「首回り」を守る事です。
と言いましても頚部だけではなく、手首、足首もそして肝心なのはお腹を絶対に冷やさない事!
つまり、ここら辺には重要な動脈が走っており、それらの血流を冷やしたくない訳です。
季節柄、手首は露出する方が多いでしょうが、せめてソックスは足首まで覆うタイプの物を使用したり、男女問わず、腹巻を身に着けたり、デスクワークなど座り仕事が多い方は、腰にカイロを貼るのが更に効果的です。
流石に暑くなりそうで心配な時には、小判のカイロもありますので私はそれを使っております。
位置はちょうど仙骨と背骨の間に貼ってみてください。腰痛予防にも良いですよ!
※下図参考位置
まとめ
気象庁によりますと、今後も二酸化炭素などの温室効果ガスを多く排出したとすると、100年後の日本の気候は今より3℃上昇し、そして全国平均の年降水量(雨または雪)は増加するとされておりますので、エコな暮らしを心掛けながらも、益々気温の変化に注意を払って生活していかなければなりません。
メディアでは「夏はこれから!」などと叫ばれています。
しかし一方では、ミンミンゼミよりも夏の終わりに鳴くツクツクボウシが7月中に鳴いているこんな状況をみると、明らかに何かが歪んで来ている様な気がするのは私だけでしょうか…!?
※このコラムはあくまでも「冷え」を感じる方を対象にしておりますが、くれぐれも熱中症には十分注意してください。
~参考資料~
気象庁ホームページ