今回の鍼職人Kの身体のお話しは、花粉症のお話しです。
昨年もこの時期に花粉症についてお話しましたが、
そのおさらいと2018年の花粉症について傾向と対策をお話していきます。
【目次】
・花粉アレルギーって何!?
・花粉症っていつから現れた!?
・花粉症はなぜ増えた!?
・どんな人が花粉症になりやすい!?
・花粉症対策について2018年版
・自律神経と花粉症に効果的な治療メソッド!
・最後に
花粉アレルギーって何!?
昨年のコラムでもお話ししましたが、
アレルギーとは「本来無害なものに対して、私たちの免疫反応が“過剰に反応”したもの」です。
花粉症は文字通り「花粉(抗原)」に過剰反応した結果ですね。
簡単に説明すると、花粉(抗原)に対して免疫細胞が「IgE(イムノグロブリンE)」という抗体を発射します。
その抗体を今度は「肥満細胞(マスト細胞)」が拾います。
すると今度は、その細胞が皆さんも聞いた事があるかと思いますが「ヒスタミン」などの化学伝達物質を発射しそれを受け手(受容体)が“キャッチ”。
この“キャッチ”した刺激で、身体は異物を排除しようとするのだと言われております。
この「肥満細胞」は粘膜下に幅広く分布されるため、炎症を起こし、あの辛い目の痒みやくしゃみなどが起こります。
花粉症っていつから現れた!?
そもそも花粉症というものが出て来たのはいつ頃からでご存知でしょうか?
資料によると、日本で初めて「花粉症」を報告されたのは、1961年“ブタクサ”による花粉症が報告されました。
最初はスギ花粉症ではなく“ブタクサ花粉症”だったのですね。
スギ花粉症はそれからまもなく1963年に栃木県日光市で現在もたくさんの方が悩まれている“スギ花粉症”が報告されました。
それから続々と種々の花粉症が報告され、今では約80種近くの花粉症があるとまで言われています。
しかし、外国の古代の医学書にも花粉症に似た様な症状が記録されている様ですので、
それを考えると花粉症は私たち人類とは相当な長い付き合いをしているという事になりますね!?
花粉症はなぜ増えた!?
約454万ヘクタール。
これが国土の「スギ」が占める面積といわれています。
東京ドームが約4.7ヘクタールらしいので、スギ林の割合は「東京ドーム約96万個以上」になります。
桁が大き過ぎて逆に想像つきませんね笑。
早熟で良い木材が手に入るこの“スギ”を1960年以降大量に植えられた事により、1970年代以降この花粉症が急増した様です。
また、日々のストレスにより「自律神経」のバランスが乱れ、同時にホルモンのバランスも乱れる事によりアレルギーの発症や悪化にもつながるとされています。
平成28年の労働安全衛生調査によりますと、2013年では約50%程だった仕事に対するストレスが3年後の2016年では約60%弱までに増えています。
ストレスで悩み人口は確実に増加の一途をたどっているようです…
どんな人が花粉症になりやすい!?
家族に喘息やアトピー、アレルギー性鼻炎などがある場合は、比較的かかりやすいようです。
因みに私の両親・兄含め花粉症ではないのですが、兄の奥さんが花粉症です。
その子供二人とも花粉症で苦しんでいます。
北海道生まれの私は子供のころ花粉症という言葉をあまり聞いた事がありませんでした。
この前、幼馴染とお酒を呑みながらその話しになりましたが、現在では北海道はスギならぬ“シラカバ”の花粉症があるそうです。
確かにシラカバなどはそこら辺の公園に植わってましたし、シラカバ並木もありました。
日本にある約3,400種類以上の植物のうち花粉症を引き起こすものは1%もないと記載されておりますから、
それも納得であり、またさらに今後新たな花粉症が報告される可能性は高いという事ではないでしょうか。
まぁ、私の幼少期は裏が山だった事もあり、文字通り山野を駆けまわり遊んで、
春はオタマジャクシを採ったり夏はクワガタやカエルを捕まえたり、ミミズを餌に近所で魚釣りをしたりと自然が遊び場でしたから、お陰様で今も目立ったアレルギーはありません。
先述の幼馴染も小学校からの付き合いで一緒に山野を駆けまわったりした仲なので彼もアレルギーはありません。
それを考えると昔ほど遊ぶ場所が
現代の子供たち(特に都会の子たち)はやはり少し可哀そうな気がします。
花粉症対策について2018年版
毎年毎年、花粉症にはこれがいい!と出てきます。
何々茶がいいとか、プロポリスが良いとかヨーグルトがいいとか…
もちろんこれらは摂って損はないものでしょうが、今年は今まで私が見たり聞いたり調べた結果、
今年もヨーグルトはやはり食べた方が良いと思われます。
今年はこれに「トマトジュース」を加えると更に良いようです。
トマトジュースはアレルギー反応を抑える力があると言われており、アレルギー学会でも認められている事であるそうです。
ヨーグルトで腸内環境を整え、トマトジュースでアレルギーの反応を抑える方向にもって行くという事でしょう。
自律神経と花粉症に効果的な治療メソッド!
安眠道鍼療院では、花粉症治療というのは特にありません。
しかし、他の症状で自律神経の調整をされている方が「そう言えば今年花粉症の薬まだ飲んでないのに大丈夫だよ!」とか「先生、今年は花粉症の症状がいつもより弱いんです!」
とよく言われます。
また、当院HPの患者様の声にもそうお話しして頂いている女性がいらっしゃいますので、ご興味がありましたらのぞいてみてください。
当院は自律神経専門の鍼灸院ですから、当然全身を調整致します。
美容鍼・美顔鍼も行いますが、これは自律神経調整中のトッピングみたいなもので、言うなれば当院オリジナルの「自律神経美容」「自律神経美容鍼」とでも言いましょうか!?
ですから、たまに「顔だけやってください」と言われる方がいらっしゃいますが、そのような方はお断りしております。
当院の自律神経調整では、「交感神経」「副交感神経」どちらも“適度”に高める事をその時の状態に合わせて行っております。
この「適度に」がポイントで、どちらも最適な「バランス」を整えていきます。
ただ単に交感神経を高めたければ、つねったり痛み刺激を入れれば良いわけですが、それではただ余計なストレスになるだけですから意味がありません。
それらを考えると「鼻水」「涙」は副交感神経で分泌されますので、過剰な高ぶりを抑えてあげれば眼や鼻の症状の軽減へと繋がるのかも知れませんね。
また、アレルギー反応もこの副交感神経の過剰優位がトリガーになると言われますので、いずれにせよ全身を捉えた自律神経のバランスを整える事がやはり重要となってきます。
さらに、花粉症を訴える方に「東洋医学では上熱下寒(じょうねつげかん)」といわれる方も多いようです。
読んで字の如く顔に熱がこもり足元が冷えている方です。
これらの症状のケアも同時に行い、また、セルフケアとして皆さんに今一度食生活を見直して頂いております。
最後に
頭がボーっとする方いらっしゃいませんか!?
喉が乾きやすはありませんか?
甘いものを食べがちではないですか?
冷たい飲み物を選びがちではないですか?
自律神経も食生活も何事も「バランス」が大事だと言う事をどうぞお忘れなく!
※参考文献・資料
やさしい自律神経生理学 中外医学社
好きになる免疫学 講談社サイエンティフィク
自律神経と免疫の法則 三和書籍
順天堂医学 46巻1号
環境省HP