歴史的猛暑続きの夏だった今年…11月に入り“やっと”過ごしやすくなったこの時期は、睡眠の質も安定しそうだと感じますが、実際には寝付くまでに時間がかかったり、熟睡できないと悩む方が増えているようです。
睡眠は心身の健康、豊かで充実した生活の土台・基本となるため、寝つきの悪さや熟睡できない悩みはとても深刻ですよね。
そこで今回は、「自律神経と睡眠」との関係、眠れない・寝つきが悪い悩みは、自律神経のバランスが崩れているサイン!?
ぐっすり眠る“安眠”対策も合わせてお伝えしていきたいと思います。
【目次】
- 睡眠の不調は自律神経の乱れが原因!?理由と関係性
- 寝つきが悪い、熟睡できない…睡眠不調の原因と自律神経の関係性
- 自律神経を整えてぐっすり眠ろう!おすすめの睡眠ケア
睡眠の不調は自律神経の乱れが原因!?理由と関係性
寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、朝の起床のタイミングでシャキッと目覚められない…。
そんなお悩み、実は自律神経の乱れが関係しているかも知れません!
自律神経はそもそも、
- 興奮や活発な活動、覚醒、集中力、やる気、さわやかな目覚めをサポートする「交感神経」
- ストレスからの解放、リラックス、寝つきや熟睡をサポートする「副交感神経」という、異なる働きを持つふたつから成り立ちバランスを取り合っています。
ですが、 - ストレスや悩みの多い生活、仕事、プライベート事情
- 食事や睡眠、起床の時間がバラバラの乱れた生活習慣
- 気温差、寒暖差、湿度差など不安定な天候
などの影響を受けると自律神経はダイレクトに影響を受けてバランスを崩してしまいます。
自律神経のバランスが崩れると、交感神経・副交感神経それぞれの睡眠に対するサポートが活きなくなり、寝つきの悪さや眠れない、朝すっきり目覚められないといった不調につながってしまうのです。
寝つきが悪い、熟睡できない…睡眠不調の原因と自律神経の関係性
寝付くまでに長い時間がかかったり、途中で繰り返し目覚めてしまって睡眠不足、熟睡感が得られないのは、生活習慣における些細なことが原因となり、自律神経のバランスが乱れているサインかもしれません...。
では、睡眠に関するトラブルのよくある原因と自律神経がどう関係しているのか、詳しい仕組みを見ていきましょう。
身体が冷えている!?
忙しい毎日を過ごしているとシャワーだけの入浴で済ませたり、そのまま眠るまでダラダラ過ごしてしまうことがあるのではないでしょうか?
眠気を感じたり熟睡は、身体を温めて体温が上昇しゆるやかに低下する変化によってもたらされると言われています。
そのため身体が冷えていると、眠気や熟睡をサポートする体温上昇~下降のリズムが活きなくなり、さらに体温調整を担う自律神経の働きも乱れてしまいます。
すると、寝つきの悪さや途中で目覚める、十分な睡眠時間が取れないなどのトラブルにつながってしまうのです。
睡眠前の悪習慣によるもの
睡眠前にリラックスが目的でお酒を飲んだり、タバコを吸う、スマホやパソコンで動画などを見るなどの習慣を持つ方が少なくはないでしょう!?
心身がリラックスし、ストレスからの解放に良いイメージがある飲酒・喫煙・電子機器の使用ですが、実はすべて睡眠に良くない影響を及ぼす、悪習慣と言わざるを得ない部分があります。
まず飲酒は、利尿作用があることでトイレが近くなり熟睡を妨げてしまうリスクが。そして何よりも、
“入眠効果と後の覚醒効果”両方持っているので、眠りは浅くなりがちです。
また喫煙は、寝付くまでの時間が喫煙しない人に比べて長くなるとの研究結果があり、交感神経への刺激につながってしまいます。
さらに、眠る前についついダラダラと見過ぎてしまう電子機器の使用は、覚醒や興奮、緊張を促す自律神経・交感神経を刺激して睡眠の質や寝つきを悪くすると言われているのです…。
メンタル面の問題によるもの
仕事や育児、家事そしてプライベートの予定と毎日を慌ただしく過ごしていると、知らず知らずの内にストレスや憂鬱を感じやすくなります。
適宜休息をせず忙しくしてばかりいると、睡眠時も脳はリラックスできずストレスや不安で占められた状態に。
そして自律神経はメンタル不調に強い影響を受けるため、ストレスや不安が強いほどにバランスが崩れて、寝つきの悪さや途中で目覚めてそこから眠れなくなるなどのトラブルにつながってしまうのです。
自律神経を整えてぐっすり眠ろう!おすすめの睡眠ケア
睡眠不調の根本的な原因となる自律神経の乱れを整えて安眠につなげるため、おすすめの対処法をお伝えします。
試しやすい方法からコツコツと継続してみてくださいね。
「睡眠環境を整えましょう」
ストレスや忙しさで大変な時も、“出来る範囲で”寝室にいるとリラックスできる、そんな環境づくりに意識を向けてみましょう!
- 肌触りが良く、清潔な寝具や寝間着を使う
- 眠気の誘発や熟睡につながる香り、ほの暗い照明
- α波、1/fゆらぎといった癒しの波長、変動を含むクラシック、オルゴール曲を聴く
などなど、寝室をリラックスできる環境に整えることでストレスや不安を緩和し、寝つきの良さや熟睡にアプローチできます。
因みに、わたくしは“香木”の「パロサント」や“セージ”などを焚いて、リラックスしております。“浄化”作用もあるのでオススメです!
「入浴や適度な運動で身体を冷やさないようにする」
身体の冷えはダイレクトに自律神経の乱れにつながり、眠気誘発・熟睡の体温コントロールが難しくなるため、入浴や適度な運動などの温活で身体を冷やさないよう心がけましょう。
この時期は一気に気温が低下し、夜になると肌寒さを感じることがあるため、意識的に入浴や適度な運動を取り入れることが大切です。
特に“足”が冷えると“脳が覚醒”しやすくなると云われておりますから、足は「夜用(睡眠用)靴下」などを使っても良いでしょう。
「デジタルデトックスを意識する」
眠る前の電子機器の使用は、ブルーライトの影響によって寝つきや熟睡をサポートする睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。
そのため、睡眠前は特にデジタルデトックスの時間を取るよう心がけてみましょう。
音楽や読書、アロマ(セージなど)やハーブティーの香りでリラックスするなど、電子機器使用の代わりになる楽しみ、癒しを見つけてくださいね。
POINT!
皆さんよく「途中で目が覚めてしまいます」とお悩みを口にしますが、それは当然と言えば当然です。
睡眠は皆さんご存知「レム睡眠(rapid eye movement :REM)」
と
「ノンレム睡眠 non rapid eye movement :nonREM」
が交互におきる訳で、この「レム睡眠」の時に何気無く目が覚める事は良くある事ですし、それから10〜20分位で自然に眠りにつければ問題ありません。
ただ!
ここで間違っても時間を確認する為に、“スマホ”を見たり、朝一の仕事の事など考えたら、「交感神経」が刺激させ、どんどん目が冴えてきてしまいますので、要注意です!
ただでさえ、朝が近づくと交感神経がだんだんと活発になってきますから、目は覚めやすくなる様になっているのです。
良く思いませんか!?
「学生時代みたいに長く寝られなくなってきた…」
当院に来る方が口々にお話する事です。
当然なのです。
50代になる時には、自律神経機能は“20代の半分”しか機能しないとまで言われているのですから、長く寝られなくなってくるのは、新生児でもないのですから出来無いのです。
逆に「ずっと寝ている」とか、「呼びかけても応答ない位寝る」方が怖いですからね、何かの病気が隠れている可能性がありますから!
なので、睡眠に重要な事は“質”になってくるわけですね。
自律神経機能のバランスをしっかりと整えて「脳の休息」をしっかりさせないと、身体の軽さは出て来ませんので、質を最優先にする事と、最後に睡眠は“自然体”で行く事です。。。
どうせ私達はいずれ「永遠に寝なければいけない」のですから、寝急ぐ事焦る事無く、逆に起きている現実をのんびり楽しむのも一つだとポジティブに私は考える様にしています。
そんな健康寿命を維持する為にも、「はり・きゅう」と云う我々の伝統医療はとてもオススメなのですよ!
・参考
安眠道 鍼療院 自律神経コラム「ぐっすり眠れていますか?不眠の原因と自律神経との関係性、安眠のコツを解説!」
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