施術内容や料金、『必要な資格』など、いくつもの違いがあることをご存知でしたか?
今回は、今や街にあふれる鍼灸院や整体の違い根本的な6つをわかりやすく解説していきます。
【目次】
・①鍼灸院と整体は施術内容が違う
・➁鍼灸院と整体は必要な資格が違う
・③鍼灸院と整体の料金形態について
・④鍼灸院と整体の施術時間の目安について
・⑤鍼灸院と整体の効果について
・⑥検査やカウンセリング内容について
・まとめ
【違いその①】鍼灸院と整体は施術内容が違う
鍼灸院と整体は、施術を受けられる内容にも大きな違いがあります。
まず鍼灸院で受けられる施術内容は、
- 文字通り鍼やお灸を用いて心身の不調を緩和、予防する
- 筋肉等に直接アプローチし、手の届かない身体の深部に働きかける
- 血行促進、様々の痛みや冷え、むくみなどを緩和、予防する
- 自律神経機能を整え、病気の予防も期待できる
などがあり、心身両面のケアが可能になり、またお灸のもぐさはチネオールと云う成分による高いリラックス効果も期待出来るなど様々な特徴があります(日本古来のアロマかも知れませんね笑)。
かわって整体にて受けられる施術内容には、
- 主に手を(種類によっては足も)使ってカラダをもみほぐす
- 肩こりや腰痛、首こりのような痛みを緩和する
- 姿勢の補正や運動能力の向上をサポートする
- リラクゼーションやリフレッシュ効果を高める
などがあり、手を使う施術が主のため、鍼灸に比べると弱刺激かも知れません。
【違いその②】鍼灸院と整体は必要な資格が違う
鍼灸院と整体は、取得しておくべき必要な資格にも違いがあります。
鍼灸院に必要な資格には、
・はり師
・きゅう師
と云うふたつの厚生労働省認可の国家資格者でなければ鍼灸施術を行う事が出来ません(医師を除く)。
最低3年間、専門学校や大学で解剖学や生理学、病理学から神経系、様々な疾患の各論と、臨床実技など身体の機能と構造を叩き込まれます。
ここで皆さん「え!?東洋医学なのに??なぜ西洋医学ばかり??」と思いませんか!?
実は、何を隠そうこの鍼職人の私も入学当初そう思い戸惑ったものです。
入学許可と同時に送られてきた、マンガ雑誌なみの厚さの解剖学や生理学の教科書を手に取り、想像とのギャップにめまいがしたのを覚えております
(志願する前は、本当に恥ずかしい話ですが、中国の歴史と所謂“ツボ”を覚えたら取得出来るんじゃねと本当にそんな浅い知識でした笑)。
我々、はり師・きゅう師は東洋医学ではありますが、実際の東洋医学の履修は2割あるかです。これ、結構皆さん驚かれます。
他に同様の国家資格としては
・あん摩マッサージ指圧師
(あんまやマッサージ、指圧を施術できる術者。この資格が無ければ“マッサージ”や“指圧”と表記出来ません、違法になります。オイルマッサージやなんちゃら古式マッサージも厳密に言えば同様です)
・柔道整復師
(接骨院や整骨院の先生)
などのこちらも同様厚労省認可の国家資格が必要となります。
では、整体はというと…
実際には、整体に資格は必要ありません。(日本ではカイロプラクティックも同様)極論を言いますと、本を読んで自己流で「○○式整体」と看板を掲げてお客をとっても良いのです。
なので、本来“整体師”という資格も存在しません。今は便宜上報道でもそんな名を使用されますが、実際はその様な資格は無いのです。
※現在は親しみやすくするために、我々資格者でも“鍼灸整体”とかマッサージの先生や整骨の先生、リハビリの理学療法士(国家資格)の先生方も整体という言葉を使用されている場合もありますので、国家資格があるか不安な場合はお問い合わせ時に確認してみても良いでしょう。
【違いその③】鍼灸院と整体の料金形態について
鍼灸院と整体では、保健適用なる料金と、自費施術による料金にも細かな違いがあります。
鍼灸院の場合は当院もそうですが、ほぼ自費診療です。ですので一概に鍼灸施術の相場と云われましても何とも言えません。安いから良くない、高いから良いとも言えません。昔は10分¥1,000程度とも云われましたが今ではどうなのでしょうね。聞いた話では、一施術10万円とる所もあるとかないとか…。
あくまでも私が他院に行く目安ですが、自費の場合一施術¥6,000から¥10,000が相場かなと考えております。(地域や時間により異なるのが現状)
また、保健診療も限られた疾患では可能ですが、医師による同意書が必要なのと、保健の二重請求、つまり鍼と整形外科など二つ同時にかかる事が出来ない為、少しややこしいく私の周りの先生方でやられる先生は少ないのが現状では無いです。
詳細はこちらを参考にしてみてください。
東京都医師国民健康保険組合ホームページ
https://www.tokyo-ishikokuho.or.jp/hoken_kyufu/harikyu.html
一方、整体では、
- 全身整体の場合:6,000円~8,000円程度
- カイロプラクティックなどの場合:4,000円~6,000円程度
だと云われていますが、「60分¥2,980!!」などというのぼりもよく見かけるようになり、価格競争が高まっている感が否めないような感じがします。
【違いその④】鍼灸院と整体の施術時間の目安について
毎日を忙しく過ごしていると、短時間の施術で心身の気になる不調を改善したいと考える人も多いのではないでしょうか?
施術を受ける際の時間にはそう違いはありません。
鍼灸院はというと
- 一施術30分~90分程度と、手技が色々あるため幅広いのが一般的です。
その他では、
- 全身整体やバランス整体の場合:40分~1時間程度
- カイロプラクティックの場合:40分~1時間程度
が目安であるかも知れませんが、当院のクライアントの女性が勤務している整体サロンでは20分~180分ともの凄く幅があるので、これらも一概には言えません。
また、大抵初回に施術を受ける前にはカンタンな身体検査やカウンセリング、悩みや不調などのヒアリングを行うことが一般的になっています。
因みに当院では初回必ず最低30分の問診を行い、しっかりとお話を聞き、しっかり説明をする事を徹底しております。
【違いその⑤】鍼灸院と整体の効果について
鍼灸院と整体の違いに関しては、効果がもっとも気になるポイントではないでしょうか?
まず鍼灸院の場合は、
- 諸々の痛みや違和感を改善、予防する
- ケガの痛みを鎮静化、予防する
- 数値に出ない心身症状の改善と予防
まで、あらゆる状況に応じた施術が可能と云われます。
このコロナ禍のご時世に多い心身の不調の原因を探り、解決しながら、同じ症状を繰り返さない身体づくりのお手伝いに、今後もますますニーズを高めていくのでは無いでしょう。
かわって整体では(民間資格での話)、主に“リラクゼーション”効果でしょうか。
人に身体を触れてもらいリラックス効果が期待出来ると云った所でしょう。
【違いその⑥】検査やカウンセリング内容について
鍼灸院の検査やカウンセリングは古典式の鍼灸の先生方は主に、東洋医学をベースとした
- 歩き方や肌色などを観察する「望診」
- 声のトーンや大きさなどを観察する「聞診」
- 既往の病歴に関する情報をヒアリングする「問診」
- お腹まわり、脈や局所に触れる「切診」
などがあり、私たち現代鍼灸のはり師は、姿勢のチェックや関節の可動域、神経根症状、知覚神経症状と現代医学ベースで行います(予め学校でこの検査実習と試験もあるのです)。
※日本の鍼灸は現在大きく・中国針灸・古典鍼灸・現代鍼灸の3つに分かれると思って頂いて結構です
かわって整体・カイロプラクティックの場合も、
- 背骨や骨盤に異常がないか等を診察する
- 神経系や筋力に異常がないか等を観察する
といった筋や骨格系の状態を確かめるのが多いのではないでしょうか。
まとめ
以上、ごく簡単に鍼灸と整体の違いを見てきましたが、ここで勘違いして欲しくないのが、どちらが良いとかダメと言っているわけではない事を言っておきます。
しかし、逆にこれだけは言っておきたいのは「診断は医師しか出来ない!」と云う事。
よくどこそこで「これが悪いからあなたはこうだ」とか言われたのですと暗い表情で当院を訪れる方がおります。
詳しく聞くと、なんちゃら整体とか○○治療院で言われたと言うのですよ。
医師以外の人間がこんな診断のまねごとをしては違法なのですね。
ましてやそれらが見当違いで、無駄に不安がらせているのが殆ど。
こんな事は我々も含め、やはり許してはいけないと思っております。
因みに私も現場に15年以上出ておりますが一度も「悪い」と言う言葉を使ったことはありません。
ここが原因かな!?と思う時には「ここが少しお疲れですね!?」「ここが少し頑張りすぎでしたね!?」と言う事にしています。
今や、私たち鍼灸院や整骨・接骨院、マッサージや指圧、そして整体やカイロプラクティック、リラクゼーションサロンはコンビニエンスストアよりも多く、当院の吉祥寺でも同じ通りに何件もあります。
これからは、利用するユーザー側もしっかりとした選別する目が必要になって来るのかも知れませんね。
あなたの身体を守るのはあなた自身ですので!