日々エネルギッシュに活動するための交感神経と、
心身のリラクゼーションに深いかかわりのある副交感神経からなる自律神経。
心身の健康に自律神経のバランスを整えることが大事だと理解していても、
「自律神経ケアは自分では難しい…」
「専門的なノウハウや知識が必要なのでは…?」
とさまざまな不安・疑問を抱くことも少なくはないですよね。
実は自律神経バランスは誰にでも簡単に継続できる、
セルフケアの方法がいくつも展開されているんです。
心身のバランスも日頃から整えて安定した毎日を送るために、
ここでは自宅で簡単にできるケア方法をさっそく参考にしてみましょう。
【目次】
自宅で簡単にできる自律
自宅で簡単にできる自律神経ケア【食品・栄養編】
自宅で簡単にできる自律神経ケア【セルフケア編】
まとめ
自宅で簡単にできる自律神経ケア【生活習慣のポイント編】
自律神経の乱れは健康状態は勿論、美容やダイエットにも良くない影響を及ぼしてしまうやっかいなトラブル。
交感神経と副交感神経のバランスを整えるために、ここでは日常生活で手軽にできる自律神経ケア方法を参考にしてみましょう。
朝15分の日光浴を
起床後は、カーテンと窓を開けて新鮮な空気・明るい太陽の光を浴びる習慣を持ってみましょう。
朝の15分の日光浴は、クリアでフレッシュな空気と、日光による光の刺激を受けることで、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが体内に多く活性されるようになります。
自律神経を整える働きのあるセロトニンは、体内時計をリセットし、安定した心身のリズムを整える働きがあります。
紫外線ダメージが気になる際には、手の平のみを当てる日光浴も効果的とされていますよ。
入浴と軽い運動を心がけよう
このコロナ禍において、圧倒的に活動量不足になっている方を最近多く診ています。
「最近、眠くなりづらいのですが、異常でしょうか!?」
とそんな方々はお話しますが、そんな時は決まって
「近ごろ身体、動かしています!?」と聞きます。
睡眠には”肉体的疲労”も深く関わってきますので、そんな場合は
「今日は疲れていないしな…」くらいに軽く考える事がポイントです。
そしてそんな状況を予防する為にも、一日30分は歩いたり身体を動かすのが効果的。
またそれに加え、仕事でPCのブルーライト漬けで交感神経マックスの仕事終わりには、やはり入浴がオススメ。
40℃切る位のお湯にのんびりと浸かる事で、副交感神経がやや優位になりリラックス効果が期待出来ます。
良い睡眠にも言わずもがなですね。
42℃以上のお湯は交感神経が優位になりますので、どうしても熱いお湯がいい方は、お風呂上りは出来れば2時間ほどクールダウン出来れば自律神経バランス的には問題ありません。
“どうしよう!寝られない!”と思い過ぎるとその思考に引きずられ本当に寝られなくなる事もあるのでご注意を!
※心疾患や高血圧などがある方、小児は入浴には十分気をつけましょう。
ヒートショックにも同様十分に気をつけてください。
食べる・動く・休む動くのサイクルでメリハリある生活を
自律神経を整えるためには、食べる・動く・休むという基本的なサイクルを心がけ、メリハリのある生活を意識するだけでもその働きが整っていくと言われています。
仕事や家事を頑張り過ぎない、根を詰めないように意識しながら、この3つのサイクルの繰り返しにバランスを保つと、万が一に不調を感じても自身でコントロールする順応さを育てていくことができますよ。
自宅で簡単にできる自律神経ケア【食品・栄養編】
自律神経は目に見えないものですが、ちょっとの工夫をプラスするだけで、自宅でも簡単に継続できる方法がいくつもあるのだと安心できたのではないでしょうか?
ここからは、心身の内側から自律神経にアプローチできる、自宅でおすすめの食品・栄養摂取によるインナーケア方法をご紹介。
自律神経の食品・栄養摂取からのケアは、表面的なケアよりも倍の作用が働きかけるとも言われているので、食生活を見直しながらの実践をさっそく始めてみましょう。
トマト×GABA
フレッシュな酸味と甘みが美味しく、この季節の旬な食材と言われているトマトには、脳のさまざまな機能の健康にアプローチするGABAが豊富に含有されています。
トマトのGABAは、
・脳細胞への酸素供給量を増やしていく
・脳の血管や神経のリラクゼーションに役立つ
・交感神経の余分な高ぶりを抑えてくれる
などの特徴・働きがあり、自律神経の乱れのもととなるストレスや脳の疲労を軽減する栄養素となっています。
またトマトは、中玉1個で1日に必要なGABAをバランス良く補うことができるため、毎日の食事に積極的に摂り入れてみましょう。
バナナや大豆製品、乳製品×トリプトファン
バナナや大豆製品、乳製品の含有が多いトリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを脳内で産生し、増やしていく働きがあると言われています。
トリプトファンによって生成されるセロトニンは、リラクゼーション作用のある副交感神経のバランスを整えると言われているため、自宅で簡単にできる自律神経ケアに積極的に補いたい栄養素のひとつとなっています。
緑黄色野菜全般×ビタミンC
ストレスや不安感、疲労などによって自律神経が乱れると、ストレスケアに重要な役割を持つビタミンCも体内からどんどん減少・不足してしまうと言われています。
心身の疲労ケアに重要な役割を担うビタミンCは、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に豊富に含まれているため、毎日3食欠かさずに摂取しましょう。
“菌活”で腸内環境を整えよう
よくセロトニンは重要と言いますが、これは夜にはメラトニンという睡眠ホルモンに変わるので、日中に十分産生しとく様に言われるのです。
しかし!ここからがポイント、先述のセロトニンの元となるトリプトファンですが、腸内環境が整っているからこそ、腸が脳へおすそ分けとしてトリプトファンをあげるので十分セロトニンが産生されるのです。
腸内環境が良くないと、腸が栄養を保持しようとする為中々脳へトリプトファンをくれません。
と云う事は、燃料がない事には産生出来ないと云う事。せっかく朝日を浴びようが良く笑って表情筋を動かそうが非効率的ですよね!?
ですから腸の健康状態を維持する為にも、キノコ類やヨーグルト、キムチ(キムチにはGABAも豊富です!)、納豆やチーズなどの発酵食品などは、健やかな腸内環境を維持する為にも積極的に摂りましょう。
また善玉菌は、ネバネバ系食品・繊維質を多く含む食品をエサに増えるため、発酵食品と食物繊維をバランス良く毎日の食事に補うようにしましょう。
自宅で簡単にできる自律神経ケア【セルフケア編】
家事やお仕事の合間にも手軽に実践できるセルフケアは、自律神経のバランスを整える手助けになります。
※ツボ押しは、押した圧力が内臓にまで伝わると言われているため、次のツボを強弱をつけて、「痛気持ちいい」と感じる程度に押してみましょう。
またツボ押しは、空腹時よりも食後に実践した方が、胃腸への過度な負担を防ぐことができます。
後谿(こうけい)
自律神経の自宅での手軽なケアに役立つツボ、後谿(こうけい)は、手の平と甲の間の、小指の根元の関節から1.5㎝ほど手首よりに位置しています。
後谿(こうけい)には、
・交感神経の働きを正常にする
・気持ちを明るく、前向きに整える
などの効果が期待でき、起床後のカラダのダルさやぼんやりとしたメンタル面・脳をシャキッとさせるリフレッシュ作用があります。
自律の呼吸!!
ちょっと流行りのマンガみたいですが笑、本来”自律”とは自分自身で自分の行いを規制する事(コトバンクさんより引用)とありますが、自律神経について言えば、私たちではどうにも出来ない神経。
自律神経自身が文字通り自分たちで規制して私たちの身体を動かし、守ってくれているのです。だからこそ、この”自律神経バランス”が乱れると、少々厄介になるですね。
よく”イラッときたら深呼吸!”と言いますが、これは所謂「高ぶり過ぎた交感神経を抑えよう」としているもの。
自律神経を、唯一自分自身でコントロール出来るとしたら、この”深呼吸”で高ぶりすぎた交感神経を抑える事ぐらいでしょう。
ポイントは吸い込み4・吐き出し6くらいを目安に!
外関(がいかん)を刺激する!
これは私の恩師である、筑波技術大学元学長・筑波大学元教授である西條一止先生が提唱しているもので、これも高ぶりすぎた交感神経を抑えるのによく効き、前述の深呼吸よりも更に効果的です。
やり方はごく簡単!深呼吸では無く、「普段私たちが行っている呼吸」をしながら手首をさするだけ!
外関の位置は、手首(どちらでも可)を背屈させた時のシワから「指三本分」肘寄りに上がった所の真ん中が”外関”です。
ここからが重要!その部位を「呼吸の”呼気時”に指でさする」のです。
7~10回位行ってください。これは、人前にでる前や試験前などにもとても良いですよ。かく言う私も、多くの人達の前で話す時にはよくやります!
余談ですが、まだ研修生だった頃、もちろん私たちはこれを治療針で”皮膚・皮下組織”に行うのですが、この実技の試験を担当されていた先生が多くの学生からの刺激を受けすぎてしまい、副交感神経が優位になりすぎ、血圧が下がり体調不良になり中断するといったアクシデントがありました。
回復後先生が「皆さんこれが自律神経のは働きです!」と言った時にはプロ根性を見ました笑。
まとめ
自分自身ではコントロールが難しいと感じていた自律神経のケアも、ちょっとした工夫とアイディアひとつで本来の健康的な心身を取り戻すことが可能に!
梅雨まっただ中で、ステイホームの意識がまだまだなくせないこの時期、ぜひご紹介した自宅でできる簡単な自律神経ケアを習慣付けて、ベストな心身コンディションを取り戻していきましょうね。
参考資料
・クロワッサン1047号
・https://www.asahi.com/relife/article/13462407
・https://kenko.sawai.co.jp/mental-care/201306.html