日々の仕事や家事、人間関係によって、ストレスから逃れるのはなかなか難しい現代社会。
しかしストレスと上手に付き合っていかないと、次第に自律神経に影響を及ぼし、
ひいてはご自身の健康を脅かす恐ろしい存在になっていきます。
そこで今回は、ストレスが自律神経に与える影響についてご紹介しながら、
その対処法についても合わせてお話していきます。
【目次】
1.あなたのストレスは大丈夫?
2.ストレスが自律神経に与える影響
3.幸せホルモンを増やして元気に過ごそう!
4.さいごに
1. あなたのストレスは大丈夫?
「ストレス」とは、外部から受ける刺激によって起こる緊張状態をいいます。
原因は人それぞれですが、「仕事が忙しい」「人間関係がうまくいかない」といった社会的要因や、不安や悩みからくる心理的要因、さらには健康上の不安といった身体的要因など様々です。
また、ストレスはマイナスな出来事だけに限りません。結婚・出産・出世などの喜ばしい出来事であっても、生活環境の変化という意味ではストレスとなり得るのです。
そしてストレスの怖いところは、気がつかないうちにジワジワと健康を脅かしてくるところ。
ぜひこの機会に、ご自身がストレスによって心身ともに疲弊していないかチェックしてみましょう。
厚生労働省のサイトにある「5分でできる職場のストレスチェック」で簡単にチェックすることができますよ。
URL:https://kokoro.mhlw.go.jp/check/
2. ストレスが自律神経に与える影響
ストレスを受けると自律神経に対してはどのような影響を及ぼすのでしょうか。
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、これらがバランス良く働くことで健康が保たれています。
しかし強いストレスを受けたり、長期的にストレスに晒され続けたりすると、自律神経の司令塔である視床下部に影響を及ぼします。
すると、自律神経のうち「交感神経」が反応して過緊張状態となり、やがて自律神経のバランスが乱れてしまうのです。
そして「交感神経」が緊張すれば血管が収縮し血流が悪くなるため、胃腸障害や身体の冷え、関節の痛みなど、全身に様々な不調が起こりやすくなります。
さらにストレスを受け続ければ、「交感神経」がずっと過緊張した状態となり、白血球「顆粒球」の割合が増え、「リンパ球」が減少しがちになります。
この顆粒球は2~3日で死滅し、その際大量の「活性酸素」を出すと言われ、逆にリンパ球はナチュラルキラー細胞と共に「悪性腫瘍」の細胞をやっつけてくれると言われていますので、どちらが良いかは、言わずもがな。。。
つまり、過剰なストレスは自律神経のバランスを乱し、全身の不調へのつながっていくということなのです。
3. 幸せホルモンを増やして元気に過ごそう!
そこで、ストレスで体調を崩さないために心がけたいのが、「幸せホルモン」を増やすこと。
ここでいう「幸せホルモン」とは、人間の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質である「セロトニン」のことで、この「セロトニン」が不足すると精神的なバランスが崩れ、うつ病を発症したり、暴力的になったりしてしまうのです。
このように、「セロトニン」は特にメンタルを保つために大切な物質なのですが、多くの現代人は不足しているとも言われています。
そこでここからは、「幸せホルモン(=セロトニン)」を増やす3つの習慣についてご紹介していきます。
① 大豆食品・乳製品・ナッツ類を摂る
まず1つ目は、「幸せホルモン」の原料である食材をしっかり摂ること。
「幸せホルモン」の原料は必須アミノ酸の1つである「トリプトファン」で、この「トリプトファン」は体内で作ることができないため、食事からしっかり摂取する必要があります。
「トリプトファン」が含まれている食材は、「納豆・豆腐・みそ」といった大豆製品や、「牛乳・チーズ・ヨーグルト」といった乳製品のほか、バナナやナッツ類にも多く含まれています。
また、トリプトファンからセロトニンを生成する時はビタミンB6を必要とするので、玄米やさつまいもなどの植物性の食材を一緒に摂ることも大切です。
② 日光を浴びて適度な運動をする
そして2つ目は、しっかりと日光を浴びて適度に運動すること。
日光を浴びたり軽く運動したりすると、セロトニンを分泌する「セロトニン神経」が活性化され、「幸せホルモン」の生成に役立ちます。
特に朝起きた時には、カーテンを開けてしっかり朝日を浴びるのがおすすめ。
人間は朝日を浴びた14時間後に眠くなるようになっていますので、朝に日光を浴びることは良質な睡眠にもつながります。
晴れている日は、仕事の前に朝日を浴びながら15分ほどウォーキングするのも良いかもしれませんね。
③腸内環境を整える
実は意外と知られていないのですが、この腸内環境がセロトニン生成にはとても大切!腸内が整っていないと、先のトリプトファンを腸が保持してしまい、脳へ飛ばしてくれないのです。自分自身の栄養をまず確保するのですね。これを「腸脳相関」と言います。セロトニンを増やしましょうとはよく聞きますが、これに触れているのはあまり見ないのですが、実は一番重要なポイントなのです!
4. さいごに
先が見えなくて不安が付きまとうようなこのご時世です。最近、「なんかいつもと体調が違うかな?」と思うことはありませんか?
「イライラする」「気分が落ち込む」「食欲がない」「よく眠れない」といった時は、ストレスが溜まりすぎている可能性もあります。
そんな時は体からのサインを見逃さず、早めにケアを行うことが凄く大切ですよ。
【参考】
厚生労働省「こころの耳」
https://kokoro.mhlw.go.jp/
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会「ストレスについて」
https://www.japa.org/mental_health/stress/body.html
総合南東北病院 広報誌「心の安定 セロトニンを増やす方法」
http://www.minamitohoku.or.jp/information/minamitouhoku/201411/navi.html
森永「かんたん、わかる!プロテインの教科書」
https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=96&category=beauty