パソコンやスマートフォンの普及によって、さらに深刻さが増しているのではないでしょうか。
そこで今回は、全身の調子を司る自律神経の観点から肩こりについてお話していきます。
【目次】
1.肩こりってどうして起こるの?
2. 肩こりの原因
3.自律神経が関係する肩こり
4.肩こりにはセルフケアが大切!
1.肩こりってどうして起こるの?
みなさんがよく口にする「肩こり」ですが、そもそも「肩こり」とは何のことなのでしょうか。
肩こりとは、肩まわりの筋肉の緊張や血行の悪化によって、首から肩、上腕に至るまでの広い部分に鈍い痛みや圧迫感、違和感、不快感を覚える状態のことをいいます。
主に、肩周辺にある次の2つの筋肉が大きく関与しています。
① 僧帽筋(そうぼうきん):首から背中にかけて広がっている筋肉
② 肩甲挙筋(けんこうきょきん):首の両サイドにあって頸椎と肩甲骨をつないでいる筋肉
これらをはじめとした筋肉は、血液や酸素を送る静脈をポンプの要領で動かしています。
つまり、筋肉の柔軟性を保つことが、血液や老廃物をスムーズに流すために大切なポイント。
それなのに、筋肉が緊張して柔軟性を失ってしまうと、血行不良を起こして老廃物が筋肉内にどんどん蓄積され、さらに血行が悪くなって肩こりが悪化するという負のスパイラルに陥っていくのです。
2. 肩こりの原因
肩こりは、「筋肉の柔軟性」と「血行不良」が大きなキーワードになります。
実は、みなさんの生活習慣の中にはこれらの原因を引き起こす行動がたくさん隠れているのです。
具体的なものとしては、次のようなものが挙げられます。
ずっと同じ姿勢でいる
パソコン仕事などで長時間同じ姿勢のままだと首や肩まわりの筋肉が緊張し続けて、筋肉が柔軟性を失ってしまいます。
眼精疲労
同じ距離で同じものを見続けると目のまわりの筋肉の緊張や疲労が蓄積され、結果的に肩こりを引き起こします。
ストレスを感じる
仕事などでストレスに晒され続けると、身体に力が入ってこわばるだけでなく、交感神経が過剰に働いてしまい血管が収縮して血行不良が起こります。
身体を冷やしてしまう
人間は寒さを感じると交感神経が活発になって血管が収縮し、体温を保とうとします。
血管が収縮するということは血行が悪くなるということですから、肩こりにもつながっていきます。
いかがですか?いくつか身に覚えはありませんか?
さらに言えば、これに運動不足も加われば全身の筋肉はかたまる一方…ということは容易に想像がつくのではないでしょうか。
3.自律神経が関係する肩こり
前章では、肩こりの原因として「ストレスや冷えによって交感神経が過剰に働く」といったことをご紹介しました。
交感神経というのは自律神経のひとつで、日中活動する時に活発になるアクセルのような役割を担う神経のこと。
この交感神経は、強いストレスを受けたり、あるいは身体が冷えてしまったりすると緊張状態に陥ります。
すると血管が収縮し始め、血管が収縮すれば当然に血行も悪くなりますから、肩こりが引き起こされるというわけです。
肩こりというと姿勢や運動不足といった肉体的な原因をイメージしますが、
実はストレスや冷えを原因とした自律神経の乱れが引き金になっていることもあるのです。
4.肩こりにはセルフケアが大切!
肩こりというと「マッサージ店に足が向いてしまう」という方も多いのでは?
マッサージで定期的にメンテナンスを行うことは、ご自身の身体を見つめなおす良い機会にもなって非常に良いですよね。
ただ、肩こりは普段の姿勢や行動のクセといった生活習慣に問題があることも多いため、マッサージなどのメンテナンスと併せてご自身でも生活習慣を見直してみることをおすすめします。
そこで、ここではいくつか日常のセルフケアの方法をご紹介します。
姿勢に気をつける
肩こりの大きな原因になる姿勢、それは何といっても猫背です。立っていても座っていても、背中が丸まっていると肩こりにつながります。
スッと背筋を伸ばして、「耳・肩・骨盤・くるぶし」が一直線になるような姿勢を心がけましょう。
ストレッチを心がける
デスクワークが続くときは、1時間に1回は伸びをしたり肩をまわしたりするなど、軽いストレッチをして筋肉をほぐしましょう。
また、休憩中はスマホを少しガマンして、遠くの景色を眺めてみる。そうして目の周りの筋肉を休ませてあげましょう。
肩まわりを冷やさない
冬の寒さだけでなく夏場の冷房には特に注意。ストールやスカーフを上手に使って、首や肩のまわりに冷気が直接当たらないよう気をつけてください。
簡単なものばかりなので、ぜひ明日からちょっとだけ意識してみてくださいね。
ちなみに、鍼灸治療は肩こりにも勿論大好評を頂いており、特に当院の鍼灸は、筋肉をほぐすと同時に自律神経のバランスを整えることも可能で様々な側面から肩こりだけではなく、身体全体に直接アプローチできるのが特徴です。
マッサージだけでは効果が実感できなかったり、なかなか持続しなかったりする方は、ぜひ鍼灸治療も体験されては如何でしょう!?
※「マッサージ」や「指圧」「あんま」は国家資格です。多くのトラブルを未然に防ぐ為に「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格者の施術を受けられる事をお勧め致します。
【参考】
公益社団法人日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/stiffed_neck.html