花粉症の方にはお花見どころではないかも知れませんが、
ようやく寒さも落ち着いてきました。
と、同時に春と言えば別れと出会いの季節。
新しい環境へ踏み出す時。
そしてそんな時につきものなのが
「スピーチ」や「自己紹介」など人前で話す場面ですね。
誰もが経験した事のあるあの緊張した感じ…。
心臓はバクバク、瞳孔もひろがり変な汗が吹き出し、
そして口は乾いてカラカラ、
出来る事ならば一刻も早くこの場から逃げ出したい気分。
今回の鍼職人Kの身体のお話は、
そんな緊張状態と自律神経の関連と対処方法や、
訓練など私の経験も含めて簡単にご紹介します!
【目次】
・今更聞けない自律神経とは!?
・緊張状態はドラクエを思い出せ!
・鍼職人K式緊張しない方法 其の一 呼吸!
・鍼職人K式緊張しない方法 其の二 敵をしぼる
・鍼職人K式自律神経訓練法!
・最後に
今更聞けない自律神経とは!?
私たちの神経には、脳と脊髄の中枢神経と、その他、運動神経や知覚神経などの末梢神経、そして自律神経もこちらの部類に入ります。
この自律神経の役割はというと
「内臓・血管・腺」を支配する重要な神経と覚えて頂ければ良いと思います。
では、ちょっとここで一休み、皆さん「胃を動かしてみてください」もしくは「血管を開いたり閉じたりしてみてださい」
出来ませんよね?
これらは“自律神経”の働きが行うもので、意識的には行う事は出来ません。
つまり、自律神経は“自分の意志ではどうにもならない”神経と言う事です。
そしてこれらには、交感神経と副交感神経があり、前者はアクティブモード、後者はリラックスモードなどと分けられたりする事もあります。
各々の神経がどんな働きをしているのか、交感神経は「狩り」に例えるとよく分かりますので少し見て行きましょう。
交感神経について
“獲物を発見して臨戦態勢へ!”
「瞳孔を開き」よく標的を捉え、しっかりと大地を踏みしめ、武器もしっかりと握りしめる為に「手や足に汗」が出てきます。
全身に血液を沢山送る為に「心拍数を増加」させ
「血管が収縮」し「筋肉も緊張」、「血圧」も上昇させ、沢山酸素を必要とする為に「気管支も拡張」します。
「立毛筋も収縮」し髪の毛はスーパーサイヤ人状態。
戦闘中にお腹が空いたりトイレに行きたくなっては大変なので、「口は乾き・消化器系は抑制」される。
そしてまた肝臓では「グリコーゲンが分解され」筋肉などにエネルギーが送られる。
といった所で「」の中が全て「交感神経の働き」で起こる現象です。
副交感神経について
副交感神経はというとざっくり言えば「この逆」の働きと思って頂ければ良いと思います
(血管に関しては殆どが交感神経支配ですが)。
これだけ見ても自分の意志では支配出来ないこの「自律神経」。
これら「交感神経」と「副交感神経」のバランスが乱れると様々な影響が出て来るのは容易に想像出来るのではないでしょうか!?
緊張状態はドラクエを思い出せ!
私は今までいくつか挨拶やスピーチを経験させて頂きました。
しかし、実は大のあがり症で緊張しいなのです。
この前も後輩の結婚式の主賓挨拶を引き受け、大いに緊張したところでした。
大勢を前にして、たった一人で立ち向かう。
身体に力が入り心臓がドキドキ、ノドがカラカラ、原稿を落とさない様に、手に汗握る!
少しほろ酔い気分で行けば何とかなるかと、お酒を飲もうにもどうにもノド越しが悪い!
そう、これはもう全部「交感神経がMax」になっている状態です。
目の前に列席されている方は、脳は「敵」と映っているイメージでしょうか!?(本当は皆さん素敵な方々)
そこで、ふと思い出したのが昔大好きだった
「ドラゴンクエスト」の「コマンド」でした。
・たたかう
・にげる
・じゅもん
・どうぐ
そうです!交感神経がMaxなのはこの「たたかう」か「にげる」に備えての働きなのです。
しかし、挨拶や自己紹介では「にげる」訳にはいきませんので「たたかう」しかありません。
もし、ここで仮に「にげる」を選択したところで関係者に「まわりこまれる」のが落ちです。
ルーラやリレミトが使えたらどれだけ助かるかなどと妄想をしながら、我々はやむなく「たたかう」を選択していくのです。
鍼職人K式緊張しない方法 其の一 呼吸!
ここでは大勢の前で話す時に少しでもリラックスするコツを簡単にご紹介します。
交感神経が高ぶっている状態ですから、少しでもこの高ぶり過ぎを抑えたいところ。
まずは、誰もご存知の呼吸法です。深呼吸とよく言われますが、大抵の方は「吸う」方に意識がいき、「吐く」方はおろそかにしがち、ですからやがて肩で呼吸する事になり、呼吸が浅くなり交感神経を結果的に高ぶらせる事になり、緊張が増していくのです。
深呼吸は「吐く」方に意識を向けるのです。
ため息です。
吐くと、きちんと吸える様に身体は出来ていますので、大きくため息をするような深呼吸を心掛けてください。
私が長年携わっていた、空手でも「息吹(いぶき)」呼吸というものがあり、精神を整えると共に、丹田に力を溜めるというものがあります。
そしてたまたまこの前、テレビでレジェンド葛西紀明選手がやっていた「レジェンドブレス」を見てこの息吹と似ていた為、凄く共感しました。
葛西選手もいつもスタート台に座った時に、精神を整える為にこの呼吸法をするのだそうです。
詳細は割愛しますが、興味がある方はどちらも調べてみてください。とても簡単なやり方ですが効果大です。
鍼職人K式緊張しない方法 其の二 敵をしぼる
大勢を目の前にすると、大抵のケースは所詮“多勢に無勢”まずは敵を一人ふたり、多くても三人くらいにしぼると楽です。
といっても物騒な話では無くて、少なくとも三人位は、こちらに向き合いこちらの話す事を「うんうん」と頷きながら聞いてくれる人がいるので、その人たちだけに話す様に進めると意外と緊張しなくなります。
ポイントは「左・右・真ん中奥」と三点にしぼるとなお良しですので、機会がありましたらお試しください!
鍼職人K式自律神経訓練法!
新社会人がまたたくさん世に出るこの季節。必ず趣味を持つ様にして欲しいものです。
夢中になれれば何でも良いのですが、なぜかと言うとメンタルコンディションの指標となるのです。
休みの日に大好きな趣味に興味が無くなって、おっくうになったり、人と会うのが面倒になってくるのは、メンタルの休み時と言われます。つまりイエローフラッグで、このまま頑張りすぎると本格的に壊れてしまう可能性が大です。
新年度から環境が変わり、対人関係も変わり知らず知らずのうちに溜まっていくストレス。
一過性に強いストレスはその日にカラオケ行ったり呑みに行ったりして発散出来ますが、
この「知らず知らずのうち」が厄介なのです。
そこで!趣味などで上手くストレスコントロールをして「自律神経の乱れ」をセルフケアして欲しいのです。
因みにストレス発散にも性差があり、男性は趣味に没頭したりコレクションを眺めたりが良く効き、女性は仲良しとのおしゃべりが効果的だと言われますので参考にしてみてください。
最後に・・・
先日大好きなイチロー選手が引退しました。
私が初めてイチロー選手を生で見たのは、当時千葉マリンスタジアムでの「イチローVS伊良部」でした。
今ではもう絶対に見る事の出来ない貴重な勝負を先日の会見で思い出しました。
そして特に印象的だったのが、ひとより頑張る事は出来ない“秤は自分の中にある”
それで自分なりに秤を使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと越えていくということを繰り返していく。(中略)
一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので、地道に進むしかない。
ある時は後退しかしない時期もあると思うので。
でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく」
(イチロー選手引退会見抜粋)
とても説得力があり現代社会に生きる人たちにとって参考に言葉ではないでしょうか!?
周りと比べないで、自分のペースを守る。そして自分を信じて生きていく。
新しい社会では是非そんな生き方を心掛けてみてください。
自律神経のバランスを整えるのにいちばん重要な事は「ゆとり・余裕」です。
参考資料:好きになる生理学 講談社サイエンティフィク 安眠道鍼療院コラム そもそも自律神経機能とは!? /column/entry/web/#more