そう“花粉”の季節が!
毎年、口癖の様に聞く「風邪流行っているよねえ」と
「今年花粉多いんだってさあ!」のこの二つ。
今年は特に多いらしく、なんでも去年の3倍くらいの量だそうです!!
東京都も東海や中国、四国地方に続き、
2月11(月)に花粉が飛び始めたと日本気象協会の発表がありましたが、
当院ではもう1月の下旬から症状が出始めた方も結構いらっしゃいましたので、
東京都も花粉の量は去年よりも多いのかも知れません。
本コラムは、早速なぜ「花粉症」が起こるのかと共に、
対策や予防法などごく簡単に見ていきましょう。
※関連コラム:花粉症について2018年版
※関連コラム:なぜ花粉症になるのか?
【目次】
・花粉症とは何か!?
・アレルギーとは何か!?
・どんどん増える花粉症!?
・日常生活においての注意点とは!?
・自律神経と花粉症
・お灸女子が花粉症対策!
・最後に
花粉症とは何か!?
花粉症で起こる、鼻や眼、ノドの症状は皆さんご存知の通り、花粉に対するアレルギー反応です。
杉のアレルギー、ブタクサやヒノキ、私の故郷北海道では白樺など、植物の花粉は数えきれない程多いですから、
それらに反応して種々の症状を出すのが花粉症ですね。
アレルギーは大まかにⅠ~Ⅳ型までありますが、花粉症の様に、私たちに身近なアレルギーであるⅠ型のお話をしてみます。
アレルギーとは何か!?
ところでアレルギーってなんでしょうか?
前述の花粉に対するアレルギーもあれば、卵やソバ、小麦、海老やカニなど甲殻類、果物など食べ物に反応する食物アレルギー。
職場の同僚や課長、部長が近くに来ると気分が悪くなる、人アレルギーなど…。
まあこれは冗談として笑
アレルギーを起こすきっかけとなる物を「アレルゲン」と言いますが、
このアレルゲンは約1億以上もあるとされ、もう何に対してもアレルギー反応が起きても可笑しくない状態です。
アレルギーとは一言で言えば
“過剰な免疫反応”であると思って頂ければ良いと思います。
どんどん増える花粉症!?
厚労省の調査では、国民の約25%が花粉症だと言われております。
また東京都の調査では1987年からこの30年で花粉症を訴える人は約15倍に増えていると言われますから、
今年の様に去年よりも多く花粉が飛ぶ季節は更に増えていきそうな予感です。
アレルギー体質は遺伝するとも言われておりますが、免疫やアレルギー疾患で有名な大久保公裕先生の話によると、
片方の親がアレルギーの場合約45%
両親ともアレルギーの場合には約60%が子供に遺伝するという事です。
そういえば、私の義理の姉が花粉症でして、子供も二人とも花粉症です。
兄は何ともないので、甥と姪はしっかりと花粉症を受け継いでいる事になります。
日常生活においての注意点とは!?
普段の生活においても花粉から身を守る事を心掛けて生活していく事が大切です。
花粉も一日のうちに多い時間帯があると言われ、
まずは飛来して来るお昼前後と舞い上がった花粉が上空から落ちて来る日没後が特に注意が必要です。
また、掃除をする時も花粉は玄関ドアや窓際が特に多いですから、そこから掃除していく事が良いでしょう。
外出する際は、やはりマスクは必須!
それもきちんと顔にフィットする物で、使い捨てが衛生的にもおススメです。
また、環境省推奨の「インナーマスク」も良いと思いすので、ここでは省きますが気になる方は調べてみてください。
花粉用のメガネも併用する事で、花粉を大幅カットが見込めるので酷い方はメガネも使用すると良いでしょう。
先の大久保先生のデータによると、マスク・メガネ無しでは、花粉の数が鼻中では1,848個、眼では791個であるのに対し、専用のメガネ・マスクを着用する事により、304個と280個に減少とこんなにも差が出ていますので、効果は言わずもがなですね。
自律神経と花粉症
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」とがあります。
お互いに“やや優位”というバランスを保ちながら私たちの身体を動かしてくれています。
これらのバランスが乱れた時に、私たちは不調を感じするのですが、このアレルギー反応は実は副交感神経が高ぶると起こりやすいのです。
花粉が多そうなので家でゴロゴロしてマンガやテレビを見てリラックスしようなどと思っていると、
副交感神経が優位になって行きますから、アレルギー症状も出やすくなりがちです。
そんな時には、先述のマスクやメガネで防御して外出してジムに行って筋トレしたり泳いだりした方が良いと思われます。
と言いうのも「交感神経」の働きによって、鼻やノドも通りやすくなるはずです!
※逆に慢性的なストレスによる交感神経過緊張状態では相対的に免疫反応を弱めTh1よりTh2が優位になりやすくアレルギー体質の人は増悪しやすくなる傾向にある為、自律神経のバランスを整えておく事は必須条件でると言えるでしょう。
お灸女子が花粉症対策!
私は鍼職人と名乗っておりますが、鍼灸師ですから勿論「お灸」も致します。
皆さん案外知らないのがお灸も国家資格だという事。
我々鍼灸師は、正式には「はり師」と「きゅう師」二つの国家資格なのです。
大体がいっぺんに受験して両方取得するので一緒にされる事が多いのです。
現在はセルフケアとして出来る優しいお灸もドラッグストアで売られており、
当院にいらっしゃる女性たちもこぞって購入して、夜な夜なお灸女子になっており、皆さんお灸を大好きになってくれています。
勿論私がお灸をする場所や数は的確にお伝えしたうえで!
そこで、ひとつ私の先生から教えて頂いた直伝のお灸法をこっそりお教えします。
使う部位は「尺沢 しゃくたく」といういわゆる“ツボ”。
(場所は肘の内側で真横に走るシワがあります。)
そして軽く力こぶを作る様に腕を内側に曲げると、先のシワのところに今度は縦に中指方向へ伸びる硬い腱があり、
そのシワと腱が交わる箇所のすぐ外側のシワ上が「尺沢」です。
その部位にお灸を両方の腕にやってみて、どちらか熱さを感じるのが鈍い方の腕。
右腕の尺沢の方が左よりもぬるく感じたら右腕の尺沢に、逆ならば左にといった感じです。
そして、お灸部位が温まってきたり、尺沢周囲がほんわか皮膚が赤みがかったらそれでおしまい!
期待できる効果としては、鼻づまりを始め、咳やノドの症状にも良いと言われている部位です。
皆さんもお試しあれ!
※火傷には十分注意をして自己責任で行ってください。
また、痛みなど不快感がある時には絶対にやらない様にしてください。
これ以外の部位にお灸をする時には必ず専門家の指示に従ってください。
最後に
現在、花粉症にこれが特に効くといった食物は特にない様です。
旬の物を適量腹7分目位でバランス良く頂く。
食物繊維を多くとり腸内環境にも気を配るなど、出来る事はしっかりとやりましょう。
今年は乾燥する日がとても多く、静電気が頻繁に発生する為、衣服のチョイスも大変だと思います。
花粉が多い、月の明るい夜などには月の周りに丸く薄雲の様に「花粉光環(光冠)こうかん」という花粉の輪が見える時がありますが、
これを見て次の日の対策の参考にするのも良いのではないでしょうか!?
▪参考資料
休み時間の免疫学 講談社
厚生労働省 的確な花粉症の治療のために(第2版)
環境省 花粉症環境保健マニュアル