日も短くなり、外では秋の昆虫たちの大合唱で過ごしやすく嬉しいやら…何だか少し寂しいやら…
と言う訳で、少しおセンチに始まりました鍼職人Kの身体の話ですが、
今回はPC・スマホ時代につきもの
・自律神経と肩こりについて|症例報告
【目次】
・全国お悩みNo.1は肩こり!?
・肩こりって!?
・肩こりの主役!?
・自律神経と肩こりの関係について
・肩こり解消!
・肩こりのセルフケアをやりましょう!
・レッドフラッグ!!
・最後に
全国お悩みNo.1は肩こり!?
厚生労働省の調べによると、
肩こりは女性では不調の第一位です。
(二位は腰痛・三位 手足の関節痛など)
男性でも第二位に位置する程皆さんが辛く悩んでいる症状だと報告されています。
(男性の一位は腰痛、三位鼻症状など)
肩こりって!?
肩こりって何ですか?
そもそもいつから「肩こり」なんて言う言葉が出てきたと思いますか?
有名な説によるとかの文豪、夏目漱石先生が小説の"門"の中で「肩が石のよう凝る」と表現したのが最初の様です。
1911年に刊行されたようですから、肩こりと言われる様になってまだ100年位なのですね。
しかし現代では国民的悩みと言っても過言ではないこの「肩こり」はその昔は"肩が張る"と表現していたらしく、
症状自体はもっと古くから存在していた事が分かります。
肩こりの主役!?
我々の身体は約206の骨と約600の筋肉で構成されているのですが、
皆さんがお悩みの多くの肩こりはこの筋肉の問題でしょう。
その主役が「僧帽筋」と「肩甲挙筋」のダブルキャスト。
両方とも肩甲骨を動かすのに重要な筋肉です。
筋肉はいわゆる「血液のポンプ」ですからよく動かす事により血行が良くなります。
という事はつまりこの「肩こり」はこれら筋肉達の緊張が過剰になり血行不良となった為、
代謝産物も上手く取り除けなった結果で起きる辛い症状であると思ってください。
因みに僧帽筋は、上部・中部・下部があり後頭部から肩甲骨、腰の少し上の背骨に"フード"状に着く筋肉で、文字通り海外の修道士がかぶるフードがパーカーの様に垂れ下がった形に似ている事からつけられました。
自律神経と肩こりの関係について
肩こりと自律神経の関係は…!?の前に、当院では初診時、クライアントの皆さんには必ず問診票を記入して貰います。
お名前から始まりご連絡先、そして現在の状態などを詳しく書いて頂きます。
そして、自律神経でお悩みの方は必ずほぼ全員が「肩こり」を訴えられます。
それとこちらもほぼセットなのが「首のこりや痛み」。
自律神経失調症の症状にしっかりと肩こりが入っておりますので、自律神経関連と肩こりはもうセットと言えるでしょう。
つまり、自律神経との関連で考えられるとしたら…
肩こりにより、ストレスを感じ「交感神経」が過緊張し、ストレス反応としてその他首の痛みや頭痛なども起きる。
または…
日々の仕事上や生活習慣等によるストレスにより、交感神経が常に過緊張気味になり、首や肩の血流も滞りやすく、それらが重だるく感じたり、または頭痛や頭重感があるなどの症状となります。
そしてもっと厄介なのは、筋肉の過緊張は「副交感神経の抑制」を作ってしまう事です!!
極端な話、アクセルがガンガン効くのにブレーキが弱い車の様なもの。
身体では防衛能力や自然治癒力をも低下させると言われていますので良い訳がありません。
猛暑から解放されたこの時期の睡眠は、夏の疲れ等をとる為に特に重要なのですが、
これでは質の良い睡眠が出来るはずも無く、身体全体が何だか気怠いような状態が続いている方もいらっしゃるのではないでしょうか!?
肩こり解消!
「先生、肩こりって無くならないんですか!?」
と聞かれますが、答えは簡単です無くなります。
"PCとスマホをやめて筋トレ"をやれば無くなります。
しかしながら、現代を生きる人々は筋トレは出来ても、生活上その他は無理でしょうから、
"しっかりとしたケア"が必要になってきます。
ヨガでも良いですしアロマトリートメントでリラックスしたり、我々の様な鍼灸院で鍼とお灸で癒されるのも良いでしょう。
当院の特徴はダイレクトに自律神経機能に揺さぶりをかけ、高まりがちな交感神経の過緊張を解き、自律神経のバランスを整える事により筋肉の過緊張も同時に解いていくので、終わると皆さん口々に「温泉入った後みたいで気持ちが良い」とか「心地良いのでこのまましばらく寝ていたい」を仰る方が多いのも事実です。
これは私個人の感想なのですが、皆さんケアの後は表情が本当に穏やかで優しくなっています。
つまり、前述の通り余分な筋肉の緊張が取れるので、(もちろん顔も筋肉ですから)当然の結果なのですが、
その穏やかな表情で「また次回もよろしくお願いしますー!」とお帰りになる姿を見るのがとても嬉しい限りです…
肩こりのセルフケアをやりましょう!
ここでは自分でできる肩甲骨のストレッチをご紹介!
① 拳を腰の脇に付ける(前へならえの先頭の様に)。
そして、鼻から大きく息を吸って歯の間から息をはくのと同時に、
胸を突き出しながら肘を後ろでくっつける様に肩甲骨を動かす。
3回位目安で!
② 立ったまま背泳ぎの様に、腕を上下にする。
その時手のひらは両方とも後ろ向きに!
その手のひらを後ろに押していく。
こちらの呼吸法や回数も①と同じ。
どれも痛みのない範囲で行ってくださいね。
レッドフラッグ!!
一口に肩こりと言っても、内臓からくる痛みもあります。
肝臓や胆石の場合は右肩甲骨の下が非常に凝る。
高血圧症や糖尿病では両肩がパンパンに張った様な凝りが1週間以上続く。
そしていちばん怖くて緊急性があるのは左肩から背中にかけての凝りや痛み、重だるさ。
これは「心臓疾患」の可能性もありますので、専門機関を受診するようにしてください。
また、左の顎に症状が出る事もありますので、歯や顎に問題がなく顎が痛む場合にも専門機関へ行ってください。
用心に越したことはありませんので、皆さん覚えておいてください。
最後に
今回の肩こりと自律神経のコラムは、いかがでしたでしょうか?
現代社会において肩こりで悩まれるのは誰もが当り前と感じていらっしゃると思いますが、
肩こりになる原因はストレスや生活背景など様々です。
時に休息をとることも考えてみていただければ幸いです。
参考資料:厚生労働省ウェブサイト
臨床鍼灸治療学 医歯薬出版株式会社
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