「疲れにくい身体・疲れが抜けやすい身体」についてのお話しです。
唐突ですが、皆さん健康でらっしゃいますか!?
下記すべてに当てはまる方はいらっしゃいますか?
『1.病気ではない 2.虚弱でもない 3.肉体的かつ精神的、そして社会的に満たされている状態。』
実はこれ、何かと言いますと、
WHO(World Health Organization )
世界保健機関が提唱している「健康」の定義です。
かなり多く満たされなければ、健康と見なされない感が否めないですが、
今の時代、男性も女性も朝から夜までフルタイムで働いている方が多い中、
これを全て満たしている方は、そう多くはないのではないでしょうか!?
朝から満員電車に乗り、残業をこなし夜遅くに帰宅し、睡眠不足のまま、また次の日を迎える。
ここに家事、育児が入ると更に大変。疲れもとれず自分の時間もとれず、ストレスも溜まるいっぽう…
身体はどこも悪いところはない筈だけれども、何となく調子が悪いなんて事ありませんか?
【目次】
・寒暖差による自律神経の乱れ
・睡眠の確保
・睡眠に大事なこと
・睡眠の質を向上させるには
・最後に
寒暖差による自律神経の乱れ
今月に入り、最高気温は20℃超えが多い中、突如ストンと10℃以上気温が下がる日があり、また次の日は10℃以上気温が上がるなんていうのが普通になってきました。
約8℃の気温差があると、自律神経のバランスが乱れやすくなると言われておりますから、
最近自律神経のバランスを乱されている方が多いのではないかと思います。
実際当院でも、3月末から4月の現在まで、初診で良い睡眠がとれていないと訴えてくる方が増えており、しかもその方々も口々に、この寒暖差から体調を崩したと仰っていますので、寒暖差がどれだけ自律神経に影響を及ぼすかがお分かりでしょう。
良い眠りがとれない状態ではもちろん、疲れにくい身体・疲れが抜けやすい身体になるのが難しいのは誰が見てもわかる様に、
その様な身体になる為にはやはり「質の良い睡眠」つまり“安眠”が大前提であると言えます。
睡眠の確保
実は、日本は韓国に次ぎ、第2位の睡眠短時間の国だと言われているのはご存じでしたか!?
もう、いい加減「寝ていない自慢」や「忙しい自慢」はやめましょう。
しっかりと睡眠がとれなければ、しっかりといたパフォーマンスは発揮できません。
質の良い睡眠をとり、疲れをとり「明日のやる気」につながるのです。
つまり、睡眠が確保出来るが故に、疲れが抜け、また日々安眠が出来るが故に疲れにくい体力が維持出来るのです。
睡眠に大事なこと
睡眠に必要な事は「運動」と「日光に浴びる事」、「食生活」がポイントであると古くからいわれています。
地球が誕生してから約46億年、生物が誕生してから約38億年。
昼行性である人間は本来、夜は休むように出来ているのですが、24時間音も光もある現代では夜通し働く人も多数いらっしゃるのが現実です。
(その様な職業はきちんと交代制で勤務している為、いきなり睡眠の質が下がる事は余りありません。)
我々の細胞レベルで組み込まれている、昼行性の性質に逆らって行動を続けると、自律神経のバランスは乱れ、気分もウツウツとなります。
なぜならば、我々人間は、太陽光をしっかりと浴びる事で幸せホルモンともいわれる「セロトニン」が産生され、
しかもそれが、夕方以降から睡眠誘発ホルモンの「メラトニン」になるのです。
睡眠の質を向上させるには
忙しくとも、出来るだけ規則正しく生活を、出来る事から始めましょう。
朝は、バスではなく徒歩に変える事や、階段を使う。歩きを大股で歩くなど簡単な事から始めていき「習慣化」する事がポイントです。
当院のクライアントさんも、お昼休みはお弁当を食べた後は会社の近所を「早歩きで散歩」するようになったそうです。
その方曰く「気分転換が出来て午後からまた頑張りましょう」と思える様になったそうです。
逆に雨の日は散歩に行けないとガッカリするそうです笑。
セルフケアのアドバイスを宿題としてしっかりされる方は確実に変わります。
自分への「正しい」投資は決して裏切りません。
後は食生活ですが我々鍼職人も施術で、前述の「セロトニン」を分泌するケアを行うのですが、セロトニンの素となるものが無ければ意味がありません。
それは「トリプトファン」というもので、大豆製品や乳製品、たまご、ナッツ類に豊富に入っておりますので、身体に問題が特になければ積極的に摂ると良いでしょう。
因みに、私の日々の楽しみの晩酌時のおともはチーズと無塩ナッツです笑。
そして、朝は近所の神社まで往復50分くらい歩くようにしています。
最後に
先日、朝の情報番組で「春バテ」特集をしていました。
原因はやはり先述の寒暖差と、新年度の環境や対人の変化による気付かないうちにかかるストレスで「自律神経」のバランスが乱れる事が原因で、眠さやダルさ、疲労感がでる状態だそうです。
これをお話している医師によると、この春の状態を改善しなければ不調は秋まで続く可能性があり、
また五月病の引き金にもなりかねないとの事です。
そうかも知れません…
これからは、梅雨があり梅雨が明けると猛暑がやってきて、エアコンによる冷房と暑さの繰り返しの生活がやってきますから、
身体に負担がかかるのは皆さん毎年毎年経験されていますよね!?
そう考えると、この春バテを予防・改善する事は、すなわち「疲れにくい身体・疲れが抜けやすい身体」を作る事であるとも言えないでしょうか?
参考資料:
・安眠道鍼療院コラム / 本当の安眠とは
・自律神経をリセットする太陽の浴び方 山と渓谷社