本日はストレスと自律神経についてお話をします。
あの人と会うのがほんっっとストレス・・
ストレスで胃がやられた・・
あんまりストレスを溜めると身体壊すよ・・
ではストレスとはいったい何なんでしょう!?
【目次】
・そもそもストレスとは?
・ストレスと病気の関係?
・自律神経失調症とは?
・自律神経失調症の解決策は!?
・最後に
そもそもストレスとは?
ストレスを辞書で引くと・・・
“精神的・肉体的刺激によって生じる心身のひずみ、また、そういう刺激”
(三省堂国語辞書)とあります。
ではこの「ストレス」とは、まずなんぞや!?といったところから、ごく簡単にみて行きましょう。
まず最初に「ストレス」とは、初めは“物理学”の世界の用語でした。
空気の入った風船を指で押すと、内から押し戻そうという力が発生しますね?
この、「内から押し戻す力」がストレスと云われる物なのです。
そして、この指で押す力は、ストレスの原因の「ストレッサー」と云われる物です。
この現象を生体に当てはめたのが、カナダのハンス・セリエ博士(1936年)でした。
私たちの身体は、自律神経系により血圧や体温、血糖など一定に保たれる様に出来ています。
しかし、外からの何らかの好ましくない刺激により、このバランスが乱れてしまい様々な影響が出てきてしまうのです。
例えば・・・
痛いなどの「機械的な刺激」や嫌な臭いや大気汚染などの「化学的刺激」
病原菌、ウイルス、花粉などの「生理的刺激」、人間・職場関連など「精神・心理的刺激」
などが前述のストレッサーであり、これ等が原因で身体は「ストレス」を感じる事となります。
ストレスと病気の関係?
では、このストレスと病気の関係はどういったところでしょうか?
私たちが日頃特に感じているストレスとは、だいたいが冒頭の「精神・心理的」なものではないでしょうか!?
我が国のデータによると全体の約55%がストレスを感じているとも云われているが、
私に言わせて頂ければ、自覚症状があるのはまだましで、
臨床上では自覚症状無しにストレスにさらされている方々も多々いらっしゃるのが現状である為、
実際にはまだまだ高い数字だと思われます。
「わたし、肩凝った事が無いのよ・・・」なんて言う方もたまにいらっしゃいますが、
我々プロが触ってその様な人はまず会った事がありません。
セリエ博士によると、ストレスにより生体は
・副腎の肥大(種々ホルモンに影響)
・リンパ組織の委縮(免疫に影響)
・胃・十二指腸潰瘍等の引き金
(ストレスの3大徴候)
が起こるとされ、長期的な好ましくないストレスは身体に良くない事は明白です。
特に、免疫のリンパ球、NK(ナチュラルキラー)細胞の活性が低下する事も報告されており、
どちらも悪性腫瘍退治には重要で、NK細胞に至っては、悪性腫瘍細胞を狙い撃ちする細胞ですので、影響は言わずもがなです。
また更に、ストレスによる影響で、現代の代表的なもので良く聞くものでは
「自律神経失調症」ではないでしょうか?
次に、自律神経失調症についてみていきましょう。
自律神経失調症とは?
あなたは自律神経失調症と聞くとどんな感じを思い浮かべるでしょうか・・・
「病気ではないけれど・・・調子が悪い・・・」
「検査では内臓などに異常は無いのだけど・・・調子が悪い・・・」
などと云った所謂“不定愁訴”に悩んでいる方があなたの周りにも意外と多いのではないでしょうか?
不定愁訴とは、
めまいや頭痛、
動悸、
息切れ、
胸苦しいさ、
しびれ、
耳鳴り、
吐き気、
不眠、
手足の冷え、
便秘や下痢など色々な自覚的な症状があるにも関わらず、
医療機関での検査ではっきりした病変が見られないと云うものです。
つまり、こう云った所見があると病院では「自律神経失調症」と多くは診断されるようです。
原因は読んで字のごとく、自律神経のバランスが乱れる事により様々な症状が出てくると云うもの。
更にこの原因のひとつに「ストレス」が挙げられています。
この原因のポイントは「好ましくない長期的なストレス」にさらされると云う事。
好ましくない長期的ストレスにより「心・身体・脳」が疲れてしまうのです。
・心であれば、感情の制御や物事への意欲、
・身体であれば、倦怠感や不眠、免疫関係、血圧、血糖値など、
・脳であれば、判断・記憶力の低下や協調性の低下など、
挙げればキリがありません。
では、ここであなたに質問です!
朝スッキリ起きられているでしょうか!?
朝からイライラなどしていませんか!?
朝、「さあ!いちにち頑張ろう!」という気持ちがありますか?
うん・・・
どうだろう・・・
と思われた方は自律神経のバランスが乱れている可能性があります!
自律神経失調症の解決策は!?
ストレスの対処は「ストレッサーをなくす事・ストレスを解消する事」の2つです。
まずは、やはり休む事。それでも忙しく休めない方は、入浴だけでもしっかりとする事です。
とにかく何でも良いのでリラックスする事を見つける事です。
そして、日常では時間に余裕を持って行動し、ゆっくりとした行動を心がける事。
呼吸はしっかりと吐く事を意識して、身体に十分な酸素を入れてあげましょう。
ストレスで、暴飲暴食に走る方がいますが、それは身体に良くはありませんので、
物を口に入れて解消するよりは、「口から吐き出して」解消する事だと私は思っています。
友達とおしゃべりしたり(軽い飲酒は可!)、
カラオケで大声出してシャウトして、〆はバラードで涙したりと、身心を解放する時間を作ってあげましょう。
そして、健康の基本である質の良い睡眠、安眠を確保する事です。
自律神経のバランスを整えれば、だいたい安眠は確保できるでしょう。
最近、ブラック企業などが大変問題になっていますが、
私がSNSで見つけた記事で心に深く残っているものがあります。
「社会人になったら何か必ずひとつ趣味を持つ事。」
「時間的や気持ち的に週一その趣味が出来なくなってきたら、今の生活を仕事を含め見直す事」
とても良い事だと思います。身体を壊すと云う事は治るものばかりではなく、
いちど壊すと二度と治らないものも沢山あるのです。
その様な思いをしてまで、やる事など何もないと私は思っております。
SNS繋がりでもうひとつ感じる事は、沢山の名言や感動エピソード、可愛らしい子供や動物達の動画、美しい風景などで溢れています。 それは、それだけ現代のストレス社会に晒されている方々が多いと云う事を物語っているのではないでしょうか・・・?
是非、ご自分に合ったストレスの解消法を見つけて欲しいと思います。 まずは、独りで抱え込まずお話しを!
味方は必ずいるものです。。。
最後に
今まで、好ましくないストレスという表現を使ってきましたが、
ストレスとは全部が全部実は悪者ではないとアメリカの実験で分かっています。
生活には適度な刺激がなければ、私たちはダメなのです。
つまり、適度なストレスが無ければ極端な話し、生命力が弱ってしまのです。
私たちの脳はとても精密で凄く優れたものなので、必要なしと判断すると信号を弱めてしまいます。
よってストレスフリーは逆に何もしなくても良いと判断すると、生命活動の信号が・・・となってしまいます。
このストレスの発見者のセリエ博士も「ストレスは人生のスパイスだ」
「ストレスが無ければ人間は滅んでいただろう」と言っています。
私の治療院にも「先生!自律神経失調症と言われてしまいました。。。」と落胆される方がおりますが、
そんな時に私は「この24時間音も光もある都会ではバッチリバランスとれている人を見つける事の方が難しい。
田舎で昔話みたいな生活をしていれば別ですが・・・」
とお話し致します。
ですから、しっかりとケアをする事が大切なのです。
しっかり安眠を確保して、しっかりとした食事をして、自分に合ったストレスの解消法を見つけて、
またケアをしてくれる機関をみつけておく事で安心でしょう。