お腹の痛みというと、食べ過ぎや胃や腸の疾患病気が原因のイメージがあるのではないでしょうか?
ですが実は、自律神経の乱れも腹痛を引き起こす原因のひとつだと云う事はご存知でしたか!?
自律神経は腸の働きをコントロールする働きを持つため、交感神経・副交感神経のバランスが崩れてしまうと腸の働きも悪くなり、痛みや不快感といったお腹のトラブルにつながってしまいます。
今回は腹痛の原因が自律神経の乱れにある詳しい関係性と、痛みを和らげる対処・腹痛予防のポイントを詳しくお話してみたいと思います。
【目次】
- 腸の働きとは?自律神経との関係性もチェック!
- ツラいお腹のトラブルに…自律神経と整えて腹痛を緩和・予防するコツ!
- まとめ
腸の働きとは?自律神経との関係性もチェック!
腹痛はガマンできないようなレベルの痛みが長く続くこともあるので、このトラブルが生じると何か深刻な病気にかかっているのではないかと不安になってしまいますよね。
ですが日頃のストレスをそのままにしていたり日常生活の乱れが常態化していると、自律神経バランスの乱れに強い影響を及ぼし、腸の働きをコントロールする作用が低下してしまいます。
では腸にはどんな働きがあり、どのように自律神経にコントロールされているのでしょうか?
ここでは腸の働きと自律神経の交感神経、副交感神経との関係性を詳しくお話してみたいと思います。
腸の働きとは?
腸には、3つの働きがあります。
- 小腸から食べたものの栄養を吸収し、残った栄養を大腸に送り届ける
- 大腸で食べたものからの水分が吸収され固形の便を作っていく
- 腸の筋肉が収縮・弛緩を繰り返すぜん動運動によって便を排出する
腸の働きは自律神経(副交感神経)によって活発に働く様になっているのですが、
ストレスや不規則な生活習慣、寒暖差などで自律神経のバランスが乱れ、”交感神経過緊張”状態が続くと以下のようなトラブルが出やすくなります。
- 大腸での水分吸収がスムーズにいかず「下痢」を生じる
- 腸の働きが抑制を受けて、便秘になりやすくなる
下痢の場合はキリキリじくじくと差し込むような痛み、便秘の場合はズ―ンと重い痛みになりやすく、どちらも日常生活の支障になるほどツラい痛みが出やすくなります。
交感神経の働きと腹痛の関係性
自律神経によってコントロールされている腸は、交感神経が活発になるとぜん動運動が抑制されて食事の内容物を排出できずに便秘につながってしまいます。
交感神経の優位が原因でぜん動運動の働きが弱まると、腸内に長く老廃物・毒素が溜まった状態になるため、健康面はもちろん見た目にも良くない影響が出てしまうのです。
- 便秘の日常化
- 便の質が硬くなる
- お腹が張る、ポッコリと出る
- おならが出やすくなる
副交感神経の働きと腹痛の関係性
副交感神経はこれまでのコラムでリラックス効果や”消化器系”のスムーズな働き、といったプラスの作用があることを繰り返しお伝えしてきました。
交感神経に比べると良いイメージがある副交感神経ですが、自律神経のバランスが崩れて副交感神経が優位に立つと、腸のぜん動運動が過剰になり過ぎてしまう事もあります。
(”過敏性腸症候群”などもストレス等によりこう云った事が原因のひとつです)
食べた物の水分を吸収し、便のもととなる固形物を作り出す腸のぜん動運動は、副交感神経優位の過度な働きで下痢につながり、腹部への負担が強く出てしまいます。
下痢による腹痛はイヤな汗が出るほどツラい痛みでもあるので、交感神経・副交感神経は両方のバランスが整っていることがベストなのです。
ツラいお腹のトラブルに…自律神経と整えて腹痛を緩和・予防するコツ!
美味しいものを食べたくても食べられない、ぐっすり眠りたくても痛みで眠れない…。
お腹のトラブルは痛み・不快感ともにとても辛く、体質や年代にかかわらずに誰にでも生じるため、早めの緩和・予防策を知っておきたいですよね。
ここでは自律神経を整えながら腹痛を緩和、予防するおすすめの方法を詳しくご紹介します。
お腹を温める
自律神経のバランスが崩れたことが原因で生じるお腹トラブルは、便秘・下痢ともに、以下のような工夫でお腹を温めるとツラい痛みの緩和にアプローチできます。
- カイロを使う(みぞおちとおへその真ん中が効果的!)
- 腹巻を使う
- ゆっくりと入浴する
- 保温作用のある下着を使う
お腹を温めると血液循環が良くなることで腸のぜん動運動を促して便秘の解消に役立ちます。
さらに血行促進によって痛みの原因物質が押し出されると言われているため、下痢のさしこむような痛み、じくじくした痛みの緩和にも役立つでしょう。
お腹の痛みを和らげる姿勢を取る
下痢・便秘ともにお腹の痛みを和らげるためには、姿勢や体勢がポイントになります。
お腹の痛みを和らげる体勢は、以下のものが良いとされています。
- 両ひざを曲げる
- お腹を包み込むように身体を丸める
- 胎児のようなポーズ
さらに、この体勢をキープしながらできるだけリラックスし深呼吸を繰り返すことで自律神経のバランスが整い、痛みの緩和にアプローチできますよ。
お腹のトラブル別の対処法を知っておく
自律神経の乱れによるお腹のトラブルは、日常生活を過ごす上でほんの些細なきっかけでも生じることがあります。
急な下痢や便秘、痛みが起こってもすぐに対処できるよう、お腹トラブル別それぞれのケア方法を押さえておきましょう。
≪便秘になった時の対処法≫
- 硬くなった便をやわらかくしてスムーズなお通じを助ける為、スプーン一杯の良質の”オリーブオイル”を摂る
- 食物繊維(キノコ類など)、乳酸菌の多い食べ物を摂る
- 積極的に運動して腸のぜん動運動を促す
≪下痢になった時の対処法≫
- 無理に行動や運動をせずリラックスする
- 空腹状態を少し作り胃腸に休養してもらう
- 水様便などが続くときは脱水を防ぐため、常温以上の飲み物(ほうじ茶など)を摂る
- 大事な事柄が控えている時などは無理せず整腸剤や止瀉薬にたよるのもアリ!
規則正しい生活が自律神経を整える基本
自律神経は不規則な生活、ストレス、疲労などでバランスを崩しお腹のトラブルはもちろん心身のさまざまな不調を引き起こすと言われています。
就寝・起床・食事・運動・リラックス時間などなど、日常生活のひとつひとつを同じ時間・タイミングに維持した規則正しい生活が自律神経を整える基本になります。
自律神経が整う規則正しい生活は、下痢や便秘のツラいお腹トラブルの未然予防にもつながりますよ。
まとめ
11月に入っても夏日が続くこともあり、気候の不安定によるストレス、朝~日中~夕方以降の大きな気温差冷で、自律神経のバランスはダメージを受けやすい状態にあります。
自律神経を整えることに良い規則正しい習慣、お腹のみならず”身体を冷やさない”セルフケアを心がけて、腹痛のツラい痛みやストレスから早く解放されてください!
参考:安眠道鍼療院自律神経コラム「腹痛」
自律神経コラム : 腹痛 | 吉祥寺の自律神経治療専門の安眠道鍼療院|国家資格保有の鍼灸院 (anmin-do.jp)