ここ数年はご存知の通りのコロナ禍により、何事も”自粛自粛”の毎日でした。
子供達や学生さん達が楽しみにしている、修学旅行を始めとした諸々の行事。
大人達は、歓送迎会や忘年会などの呑みの席、或いは大好きな人との結婚式の延期など、またそれによる飲食業界のお店の方々まで、皆さん本当に自粛生活が長くて大変な日々を過ごしておられたかと思います。
そしてようやくコロナの規制が緩和され、人出も戻り街に活気が戻って来ました。
当院がある吉祥寺も、土日などはそらもう若者達がたくさん遊びに来ています。
今年ももうあと一カ月半。今年こそは皆さん友人達とクリスマスパーティーや忘年会、新年会などをやる方は多いのでは無いでしょうか!?
そこで、今回はそんな時期にピッタリ!?
「お酒と自律神経機能」のお話を簡単に見ていきたいと思います。
【目次】
・お酒は毒か薬か!?
・お酒は自律神経機能に影響を与えるのか!?
・お酒の適量とは!?
・鍼職人がオススメする楽しいお酒との付き合い方
・さいごに
お酒は毒か薬か!?
昔から「酒は百薬の長」と云われる様に、お酒はリラックスさせる効果や食欲増進作用がありますので、全く呑まない人よりも、適量ならば逆に呑んだ方が身体に良いと云う事も言われております。
医学博士でもある私の恩師も、ビールが好きでいつも程良く楽しむのですが、よく私に冗談混じりで
「ビールは私の血圧の薬なんだよ笑」と言っておりました。
つまり、リラックス効果により”血管拡張”するので、血圧が下がると云う事を言いたかったのだと思います笑。
この様な事からも、あくまで「適量」ならばリラックス効果もあり、脳の緊張も解けるので、私は良いと思っております。
しかしこれが…キャパを超えると…!?
・感情的になりがち
・悪酔い
・記憶が飛ぶ
など一過性のものから、習慣化してしまうと、生活習慣病のリスクの増加や消化器系や肝臓・膵臓などの病気(最悪ガンなど)、心疾患のリスク、認知症等の脳へのダメージなど、百薬どころか”悪い影響”しか出て来ません。
また、依存症となるとこれが厄介でどこまでが”アルコール依存症”と云った明確なラインが無い為、ついつい放置しがちになると言われております。
一つの目安としては「飲酒行動により、周りに迷惑がかかっていないか!?」や「飲酒が無ければほかに出来た事があった筈なのに…」と後悔したりする事が日常的にある場合などと云うのが判断基準となり、そんな時は依存症専門医を受診した方が良いかもしれません。
有名芸能人がお酒により、何もかも失うなどニュースになる昨今。
お酒は上手に付き合わなければ絶対にいけません。
あ、そうそう先程の”酒は百薬の長”ですが、続きがあるのを知っていましたか!?
「酒は百薬の長…されど…万病の元」
と云うのが全文だそうです...
お酒は自律神経機能に影響を与えるのか!?
さて、本題の自律神経機能と飲酒の関係ですが、ここまでの説明で既に自律神経との関係が、勘の良い方は気づかれているかも知れません。
いつもお話する様に、自律神経には「戦う・逃げる」の”交感神経”と「リラックス・消化」の”副交感神経”がありました。
適量少しのお酒ならば、それこそリラックス効果が期待でき、副交感神経がやや優位に働きます。
気のおけない仲間達と、旬の美味しい物をつまみながらの楽しいお酒なんてとても理想的です。
たまには対人関係などの愚痴も言いながら、あわせてストレスも発散してしまいましょう!
先述の恩師の「血圧の薬」のお話も、程よいビールのリラックス効果により、副交感神経がやや高まり、降圧効果があると云うお話だったのです。
これが楽しいうちは良いのですが、酒量も増えて来て、なぜか職場の話でヒートアップしてしまい、声もアクションもリアクションまでも大きくなって来た!
なんて事になってはもう攻守交代の様にせっかくの副交感神経からまた、戦いの「交感神経」が主役へとなり、興奮状態となっていきます。
で、気づいたら交感神経とお酒による冷えの影響で胃腸の働きがダウン…なんだか悪酔いしたかも…なんて事になりかねません。
交感神経は戦いの神経でしたから、戦闘モードでトイレや空腹なんて、敵に隙を見せるだけですから、消化器系の働きを抑制させるのでしたよね!?
悪酔いは、酒量はもちろんの事、こんな事も原因の一つになっているのです。
お酒の適量とは!?
厚生労働省によりますと、一日に純アルコール「約20g」だとされています。
これは、ビール中瓶一本或いは、ロング缶一本の量。
または日本酒一合、ウイスキー水割りダブル一杯、缶チューハイ350ml(7%)だと云う事です。
(厚生労働省e-ヘルスネットより)
ですから、我々日本人は意外と適量って少ないのです。
また体質によりお酒が弱いとか、全くアルコールを受け付けない人もいるので、そんな方にはアルコールは毒になり、急性アルコール中毒等の重篤な症状を引き起こす可能性が高いですから、絶対に無理に呑ませてはいけません!
鍼職人がオススメする楽しいお酒との付き合い方
これを読まれている方や、私の鍼を受けている方々は決して私が、お酒が「嫌いでは無い」と云う事を御存知でしょう笑。
そう、決して”嫌い” ではありませが、もう呑み過ぎる事もありません。
それは、自分の適量を知っているからです。
定期的に採血をして、肝機能もチェックしておりますが、適量が功を奏しております!
そんな私が呑む時に何よりも気をつけているのは、「楽しく呑む」事です。
たくさん話して笑って、そして美味しいおつまみ達!
私は旬の魚のお刺身と「キムチやっこ」をよく食べます。
これで、良質タンパク質とごま油による良い脂質で、胃粘膜も保護され、また、キムチで野菜と乳酸菌で菌活も出来ると云うとても効率的なおつまみ達と、
30年来の知人のお店で何気ない会話を楽しんで笑うことが、身体に良い呑みかたです。
まあ要するに、身体に良い食べ物を食べて、余計な気を使う呑みかたをしない!って事ですね笑。
そう、あとこれも重要!
呑みものも食べ物も「お腹いっぱいにしない」事も気分よく呑めるポイントです。
なので、何事も”惰性”で行わないことが、何事もtoo muchにならない適量のコツだと私は考えております!
さいごに
もうすぐ年末年始。
その前にクリスマスや忘年会、その後のお正月などで、今年は色々と呑む機会も増える事でしょう!?
お酒も自律神経もどちらも”バランス”が重要!
呑みすぎたら毒にもなるし、適量なら薬にも人間関係のよい潤滑油にもなるでしょう。
自律神経も適量のお酒ならば、副交感神経がやや優位になり、リラックス効果もあり脳の疲労もやわらぐ事でしょうが、呑みすぎは交感神経が高ぶり、余分なトラブルにも繋がりかねません。
よくお酒を呑むと怒りっぽくなる人がいますが、あれは呑みすぎにより前頭葉が麻痺して感情のコントロールが出来なくなっているのです。
高齢者の前頭葉が萎縮して、感情のコントロールが出来ず、お店で当たり散らしているのと同じ事です。
せっかく自分で稼いだ貴重なお金で美味しいお酒を呑むわけですから、楽しく穏やかに呑みましょうね!!
〜参考資料〜
厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-001.html
上林記念病院様 webサイト
https://www.anzu.or.jp/kamibayashikinen/about/interview/interview6/index.html