この文言を聞いて、どんな状態を思い浮かべますか!?
実はこれ、厚生労働省e-ヘルスネットに掲載されている『更年期障害』の冒頭の説明文です。
今や女性だけではなく、男性にも多々見られるようになった『更年期』
そこで今回は、この症状が起こる原因や症状のチェックリストと併せて、
更年期を乗り切る方法についてもご紹介していきます。
【目次】
1.更年期障害とは何か(2020年版)
2.更年期障害をチェックしてみよう
3.自律神経からみた更年期障害
4.更年期を明るく乗り切りましょう!
5.さいごに
1.更年期障害とは何か(2020年版)
「更年期」とは、閉経の前後10年間のことをいいます。
日本人の平均的な閉経年齢は約50歳とされているので、
多くの方は40代半ばから50代半ば頃にかけて更年期を迎えていることになります。
そして、この時期に現れる「イライラ・不安感・肩こり・腰痛・頭痛・めまい・耳鳴り・倦怠感」といった様々な症状が、日常生活に支障を来たすほど重くなった状態を「更年期障害」といいます。
更年期障害は、以下の3つの要因が複合的に関連しているといわれています。
① 仕事や家庭内でのストレスからくる「社会的要因」
② ご自身の性格などに由来する「心理的要因」
③ 女性ホルモンの減少といった「身体的要因」
これらのうち、特に「③身体的要因」の女性ホルモン(エストロゲン)の減少が、更年期障害を引き起こす大きな要因ともされているのです。
女性の月経というのは、脳の視床下部から卵巣に対して「女性ホルモンを出せ!」という指令(ホルモン)が出されることで起こります。
しかし、加齢によって卵巣の働きが衰えてくると、いくら指令を出しても卵巣が応えてくれず、視床下部が「なぜだ!?」と混乱して指令(ホルモン)を過剰に出すように。
こうしてホルモンバランスが大きく崩れることで、様々な不快な症状が現れるようになってしまうのです。
2.更年期障害をチェックしてみよう
ではここで、更年期の症状をチェックしてみましょう。
それぞれの点数を合計した結果で、ご自身の症状がどのくらい重いのかが分かります。
症状 | 点数 | 点数 | 点数 | 点数 |
顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 |
汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 |
腰や手足が冷えやすい | 14 | 9 | 5 | 0 |
息切れ・動悸がする | 12 | 8 | 4 | 0 |
寝つきが悪い、または眠りが浅い | 14 | 9 | 5 | 0 |
怒りやすく、すぐイライラする | 12 | 8 | 4 | 0 |
くよくよしたり、憂鬱になることがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
頭痛・めまい・吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 |
疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 |
肩こり・腰痛・手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
0~25点:異常なし
26~50点:注意が必要
51~65点:更年期・閉経外来を受診する必要
66~80点:長期的な計画的治療が必要
81~100点:精密検査に基づいた長期的な計画的治療が必要
いかがでしたでしょうか?
この診断はあくまで目安です。症状が辛い場合は、無理をせず専門医にご相談くださいね。
3.自律神経からみた更年期障害
このような様々な不快な症状を引き起こす「更年期障害」ですが、自律神経とはどのような関係があるのか見ていきましょう。
まず、更年期はホルモンバランスが影響するというのは前述のとおりですが、実は自律神経が原因で現れる症状も多くあります。
イライラ、めまいなどの諸症状も、自律神経のバランスが崩れることで現れる症状の一部です。
自律神経は脳の視床下部にコントロールされているのですが、同時に視床下部は、ホルモンの分泌を調整する機能も持っています。
そのため、ホルモンバランスが崩れると自律神経にも影響すると考えられているのです。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、これらのいずれかが過剰に働いてしまうと様々な不快な症状が現れるようになります。
例えば、交感神経が過剰に働くと、イライラ・不眠・めまい・冷え性といった症状が現れやすくなり、一方で副交感神経が過剰に働くと、食欲不振・胃もたれ・無気力・集中力の低下といった症状が現れやすくなります。
このように更年期障害は、ホルモンのバランスだけでなく、自律神経の乱れによっても起こるため、多種多様な症状が出やすくなってしまうのですね。
4.更年期を明るく乗り切りましょう!
更年期はつらい時期ではありますが、「しばらくすればきっと改善していくはず!」と信じて明るく乗り切っていきましょう!
まず、毎日の食事には大豆食品を積極的に取り入れましょう。
大豆に含まれる大豆イソフラボンは、更年期に減少する女性ホルモンと似た働きをしてくれる心強い味方です。
納豆やお豆腐、油揚げ、きなこ、お味噌などが大豆イソフラボンを多く含む食材なので、和食中心にすると自然とたくさん摂れるようになるかもしれませんね。
また、運動もとても効果的です。
ウォーキングやプールでの水中歩行といった有酸素運動だけでなく、ヨガ等も効果を上げているようですが、最近では“筋トレ”が良いのではないか!?と言われているのをご存知でしたか?
実は、女性にも男性ホルモンが、男性にも女性ホルモンが少なからず存在します。そこで、少しだけきつめの筋トレをする事により「男性ホルモン」が増加し、女性の場合では不足しているホルモンの働きに変換されるのでは?と言われているのです。興味深くないですか!?
男性は言わずもがな、アンチエイジングには自律神経バランスと筋トレです!私が実証済みです笑。
いずれにしても、無理をせずに楽しく続けていける方法を見つけてください。
これらの運動は、更年期だけでなく脂肪代謝を促進したり体力を増進したりする効果もありますので、勿論全身の健康のためにも役に立ちますよ!
5.さいごに
更年期には、「やることがたくさんあるのに身体が思うように動かない…」というような時もあるかもしれませんが、いつか終わりは来ます!
それまでの間は、気持ちよく晴れた日にウォーキングをするなどして楽しく過ごしましょう。(セロトニン&ビタミンD産生です!)
ただ、どうしてもつらいときは婦人科への受診や鍼灸治療も検討しましょう。
安眠道鍼療院ではしっかりカウンセリングも行いますので、鍼灸治療だけでなく、日頃のつらい症状を吐き出すことでスッキリしてお帰りいただけるかもしれません。
※新型コロナウィルス予防について当院の取り組み
/news/entry/post-19/
【参考】
公益社団法人日本産科婦人科学会「更年期障害」
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=14
厚生労働省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1a.html
女性の健康推進室ヘルスケアラボ
http://w-health.jp/self_check/self_check_02/
厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-081.html