また逆に寒い時には震えたり、
身体をさすったりした事がありますか?
今回の鍼職人Kの誰でも分かる身体の話しは、
「自律神経と体温調節」についてお話ししていきましょう。
【目次】
・体温と自律神経の関係について
・外殻温度と核心温度について
・ 体温調節に関わる『交感神経』と『副交感神経』について
・まとめ
体温と自律神経の関係について
動物は大まかに、環境により体温が上下する「※変温動物」と体温を常に一定に維持できる「恒温動物」がいます。
私たち人間のような哺乳類はどちらでしょうか?
平熱と云う言葉があるように、哺乳類は平常体温を一定に保とうとする「恒温動物」です。
(鳥類も恒温)
ですから、普段は身体の内部を一定に保たなければいけません。
その為、冒頭のような行動を起こし体温を維持しようするのですね。
この体温を維持する事や体温を調節する事にも「自律神経」が大きく関わっています。
前回の「自律神経と冷え」についての内容と少し重なるかも知れせんがお許しください。
※自律律神経と冷えについてのコラムはこちらより
外殻温度と核心温度について
唐突な質問ですが、体温には「外殻温度」と「核心温度」と呼ばれるものがあるのはご存知でしょうか!?
前者は「皮膚の温度」などで外気温に影響されやすいのに比べ、
後者は「身体の内部(お腹の中など重要臓器があるところ)の温度」で外気温の影響はあまり受けないと云われています。
ではこれらの体温調節に、自律神経はどのように関わっているのでしょう?
ここでおさらい、自律神経には『交感神経』と『副交感神経』があります。アクセルとブレーキに似た役割の。
「交感神経」がいわば“アクセル”で『副交感神経』が“ブレーキ”でしたね。
※そもそも自律神経とは?のコラムはこちらより
では、体温調節は『交感神経』と『副交感神経』のどちらでしょう??
体温調節に関わる『交感神経』と『副交感神経』について
私たちの体温は通常時、朝低く夕方から高くなります。
実は、体温調節を行ってくれているのは、主に「交感神経(アクセル)」がやってくれているのです。
体温調節中枢(視床下部)からの指令で、寒い時には「交感神経」が優位になり、「立毛筋」と云う筋肉を収縮させ、体温を逃がさないように(放熱抑制)しています。いわゆる「鳥肌」です。
交感神経が内分泌系(ホルモン)に作用し、アドレナリンが「肝臓」にて熱産生をしてくれます。
つまり、熱を作るのと同時に熱を温存しているのですね。
また「褐色脂肪組織」(代謝性熱産生)にも交感神経が作用し、脂肪を遊離させて熱を産生してくれています。
その他、自律神経以外にも甲状腺ホルモンが働き熱産生したり、運動神経が働いて震えが起きたり無意識に身体を動かして熱を作ろうとします。(ふるえ産熱)
逆に暑い時はと言いますと、汗を出して身体を冷却しようという働きが起きたり、血管を拡げて余分な熱を放出(放熱)する働きが起こります。
実はこれらも交感神経の働きによるものです。
ちなみに、「発汗」と云う皮膚から汗をかく機能は、人間と数種のサルだけと云われています。
皆さんご存じのように、犬は舌を出して呼吸から放熱し、ネズミなどはしっぽから、うさぎは耳から放熱しています。
象やカバのように水浴びをして身体を冷却する動物もいますね。
私たち人間はと言うと、90%は皮膚から放熱しています。(他は呼気や排泄物)
つまり、体温調節とは「熱産生と放熱のバランス」だとも言えるでしょう!
まとめ
私たちが生きていく上で自律神経機能がどれだけ重要か少しお分かりになったでしょうか。
この様に色々な働きをしてくれている自律神経。このとても優れた機能が、度重なる疲労や過度なストレスによりバランスが乱れると・・・
想像してみてください。
汗が出にくい気がする・・・
いつもまわりの人たちより寒く感じる、手足が冷たい・・・
など身体に様々な不具合が出てくる事は必至で、実際に感じている方も今の時代は多いのはないでしょうか!?
日々快適に過ごす為にも、また仕事できっちり結果を出す為にも、
そして最高のアンチエイジングにも自律神経の乱れやバランスを整える事はとても重要であるといえるでしょう。
その他、代謝や生命を維持する為などの体温関連そして、なぜ血行促進には「交感神経」が重要か!?
などはパートⅡでみていきましょう。
※蛇や蛙、カメの様な爬虫類、両性類などは「変温動物」と言われます。
参考文献:やさしい自律神経生理学 中医学社