真夏の猛暑が続くと、熱中症対策に意識が向きがちですが、実は「夏の冷え性」に悩む方も増えています。
エアコンの冷風や冷たい飲み物の摂りすぎで体が芯から冷えてしまい、「だるい」「不調が続く」と感じる人は少なくありません。
この記事では、夏の冷え性と自律神経の関係性をわかりやすく解説し、安定した体温を保つための具体的な対策をご紹介します。

【目次】
夏でも冷えを感じるのはなぜ?自律神経との関係性
夏に冷え性を招く主な原因
夏の冷えと自律神経の乱れ
体温を安定させるための冷え対策
夏の冷え性Q&A よくある疑問を解決
【チェックリスト】あなたは夏の冷えタイプ?
まとめ
夏でも冷えを感じるのはなぜ?自律神経との関係性

暑さで体がだるく感じる毎日でも、「ザワザワ」「ゾクゾク」と寒気のような冷えを感じ、体温調整がうまくいかないことはありませんか?
実は、夏に冷えを感じる背景には、体温調整をつかさどる自律神経の乱れが関係している場合があります。
ここでは、夏の冷え性の原因と自律神経の関係性について具体的に解説していきます。
夏に冷え性を招く主な原因

猛暑日が続いているのに、「ザワザワ」「ゾクゾク」と寒気のような冷えを感じてしまうのは、
- エアコンの長時間使用
- 冷たい飲食物の摂りすぎ
- ホルモンバランスの乱れ
といった要因が大きく関係しています。
夏は暑さから身を守るために、エアコンを低めの温度でフル稼働しがちですが、冷風に当たり続けることで体の芯まで冷えてしまいます。さらに、冷たい飲み物や水分の多いさっぱりとした食事を頻繁に摂ることで、気付かないうちに体が冷え、寒気を感じることもあります。
特に女性に多い夏の冷えは、ストレスや不規則な生活などの影響によって自律神経やホルモンバランスが乱れ、血流が滞ることで、強い冷えや不調につながるケースが少なくありません。
夏の冷えと自律神経の乱れ

暑さが厳しい夏でも冷えや寒気を感じてしまうのは、自律神経の乱れが大きく関係しています。
その理由は、自律神経には体温を調整する重要な役割があるためです。
自律神経の中でも「交感神経」の働きがポイントで、
- 交感神経が優位 → 血管を収縮し、体温を守る(熱を温存)
- 交感神経の働きが低下 → 血管が拡張し、熱を逃がす(放熱)
といった仕組みで体温をコントロールしています。
つまり、自律神経は“車のアクセルとブレーキ”のような存在。アクセルを踏むと熱を守り、離すと熱を逃がすというわけです。
ところが、夏は「猛暑の屋外」と「冷房の効いた室内」を頻繁に行き来するため、自律神経は血管の拡張と収縮を繰り返すことになります。
- 外:暑い → 血管を拡張して熱を逃がす
- 室内:冷えている → 血管を収縮して熱を守る
この切り替えが一日に何度も続くと、自律神経は混乱しやすくなり、結果として血行不良や冷えの症状につながるのです。
本来なら意識せずとも働いてくれる自律神経ですが、過剰に負担がかかることでバランスが乱れ、「夏の冷え性」やだるさ、不調の原因となってしまいます。
体温を安定させるための冷え対策

猛暑日が続いているのに、なぜか身体が冷えてしまう。
そんな「夏の冷え性」から自律神経のバランスを守るために、今日から取り入れたいおすすめの対策をご紹介します。
1.エアコンの使い方を工夫する
夏の冷えの最大の原因は、エアコンの長時間使用。ちょっとした工夫で体温を安定させることができます。
- 温度設定は27℃前後を目安に高めにする
- 冷風が直接当たらないように風向きを調整する
- 定期的に換気を行い、室内の空気を循環させる
- サーキュレーターやハンディファンを活用して自然な風を取り入れる
2.筋活(筋肉を育てる活動)を取り入れる
筋肉は「体温を作る暖房装置」。血流を促し、免疫力や基礎代謝を高めることで夏の冷え改善に役立ちます。
- 肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などタンパク質をしっかり摂る
- ビタミンB群(卵・きのこ・大豆製品など)で自律神経をサポート
- 腹筋・スクワット・背筋など、大きな筋肉を意識した運動を続ける
3.部分的な温活で冷えを和らげる
冷えを感じやすい部位を重点的に温めることも効果的です。
- 足先や手先 → 足湯や手湯でポカポカに
- 首・肩まわり → ストールや羽織りで冷えを防ぐ
- お腹まわり → 根菜や温かい汁物を取り入れて内臓を温める
冷えやすい場所を自分でチェックしながらケアを習慣化することで、効率的に夏の冷え性を予防・改善できます。
夏の冷え性Q&A よくある疑問を解決
夏の暑い時期に身体が冷えてしまっても、冬のように明確な防寒対策ができず、どう対応すればよいのか分からない…と悩む方は少なくありません。
そこでここでは、夏の冷え対策に関するよくある疑問や悩みにお答えし、安定した体温を保つためのヒントをご紹介します。ぜひ日常の冷え性ケアにお役立てください。
Q.下半身や内臓冷えなど種類別の対処が知りたい
A.冷えと一言に言っても、以下のような種類がありそれぞれに体温や対策が異なっています。
自身の冷えのタイプと原因、対策をしっかりと理解しておきましょう。
- 下半身冷え:長時間のデスクワーク、血行不良が原因。下半身を中心にした運動や半身浴を心がける
- 内臓冷え:手足は温かいため自覚が少ない。便秘や腹痛、もたれなどが起こりやすい。お腹を温めるマッサージ、腹巻などの活用
- 手足の先が冷たい:栄養バランスの乱れ、運動不足で末端の血行が悪くなっている。運動や代謝を上げる温かい食べ物を摂ること
Q.屋外の猛暑と室内の温度差にぐったり…何か良い対策は?
A. 屋外は猛暑、室内は冷房で極寒…この温度差が不調の原因!
外は35℃を超える猛暑なのに、室内に入るとエアコンが効きすぎて寒い――。
この温度差によって自律神経が乱れ、心身の不調や「夏の冷え性」を招きやすくなります。
対策としては、羽織りものやストールを常備し、手軽に体温調整できる工夫を取り入れることがおすすめです。
さらに、
- 屋外では体の熱を逃がすために冷たい飲み物を適度に摂る
- 室内では温かい飲み物を選び、内臓の冷えを防ぐ
といったように、環境に合わせて飲み物を切り替えることもポイントです。
【POINT!】大きな筋肉を冷やさない!
夏の冷え性を防ぐカギは「大きな筋肉」と「体幹」を守ること。
特に以下の部位を冷やさないように注意しましょう。
- 太もも
- 上腕部
暑い夏はタンクトップや短パンを選びがちですが、室内の冷房環境ではこれらの大きな筋肉を冷やすと一気に体温が奪われます。
👉 室内では 半袖+膝下までのパンツ、さらに「シャツをパンツにイン」して体幹を守るのが効果的!
👉 逆に屋外作業ではシャツを出すことで、効率よく体を冷却できます。
つまり、「大きい筋肉+体幹」を冷やさないことが、夏の冷え性予防の最重要ポイント。
まずは服装の工夫と簡単な習慣から実践してみましょう。
【チェックリスト】あなたは夏の冷えタイプ?
次の項目で YES が多いと、夏の冷え性の可能性があります。
自分の冷えタイプを知って、効果的な対策を見つけましょう。
✅下半身冷えタイプ
- デスクワークなどで長時間座りっぱなしが多い
- 下半身だけが特に冷たく感じる
- むくみやすい、脚がだるい
👉 対策:ストレッチやウォーキング、半身浴で下半身の血流を促す。
✅内臓冷えタイプ
- 手足は温かいのに、お腹が冷えて張ることがある
- 冷たい飲み物やアイスをよく摂る
- 便秘や胃腸の不調が起こりやすい
👉 対策:温かい飲み物・スープを習慣に、腹巻きやカイロでお腹を温める。
✅末端冷えタイプ
- 手足の先だけが常に冷たい
- 運動不足で筋肉が少ない
- 爪や唇の色が悪いときがある
👉 対策:タンパク質・ビタミンB群を摂取しつつ、スクワットや握力運動で血流改善。
【タイプ別まとめ】夏の冷え性とおすすめ対策
冷えのタイプ | 主な症状・特徴 | 原因 | おすすめ対策 |
下半身冷えタイプ | 脚の冷え・むくみ・だるさ | デスクワークや血行不良 | ウォーキング・下半身ストレッチ・半身浴 |
内臓冷えタイプ | お腹の張り・便秘・胃腸の不調 | 冷たい飲食物の摂りすぎ | 温かいスープや根菜類・腹巻き・カイロ |
末端冷えタイプ | 手足の先が冷たい・爪や唇が青白い | 筋肉量不足・代謝低下 | 筋トレ(スクワット・握力運動)・タンパク質&ビタミンB群摂取 |
まとめ

まだまだ厳しい暑さが続く毎日ですが、もし繰り返す冷えを感じるようであれば、それは自律神経の乱れのサインかもしれません。
ご紹介したような「エアコンの工夫」「筋活」「部分的な温活」など、できることから取り入れてみましょう。
慢性的な冷えは、免疫力の低下や基礎代謝の乱れにつながり、体調不良や思わぬ不調を招く原因にもなります。
まずは 体温を安定させる生活習慣や食事内容の工夫から始めて、夏の冷え性を予防・改善していきましょう。
参考:安眠道鍼療院 自律神経コラム:冷え性
冷え性 | 吉祥寺の自律神経治療専門の安眠道鍼療院|国家資格保有の鍼灸院
参考:アリナミン製薬株式会社 カラダ健康サイエンス「夏の不調、実は「冷え」が原因かも」
夏の不調、実は「冷え」が原因かも|からだ健康サイエンス